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光り輝くマモン
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「真白、大丈夫?」
「…大丈夫…です」
昨晩の佐伯とのセックスは気持ち良かった。いつも気持ちがいいが昨晩はなかり。ただその分、真白の体力はだいぶ削られてしまった。朝起きたら腰が痛い。そしてダルい。前の晩は佐伯のお誘いを断っていたので、佐伯はもちろん、真白も乗り気でつい、次の日の事を頭から飛ばしていた。二人で真白が作った朝ごはんを食べながら、昨日の話しになった。
「ごめんね、真白…。気持ちいい、気持ち良いって真白がエロ可愛く言うもんだからついね」
「だから、そう言う事言わないでください…!」
「俺とセックスするの、気持ち良いなんて言われちゃって…止まらなかった…」
「もう止めて~!」
真白は首まで真っ赤になって佐伯に抗議した。素面の時にそういう情事の自分の事を言われると、恥ずかしくって仕方ない。自分がセックスしてる時に何を言ってるか記憶がないわけではないから余計に恥ずかしいのに、佐伯はそう言って真白が照れて恥ずかしがっているのを楽しんでる。真白もそれを分かっているから、照れないで堂々としてやろうと思っても、やっぱり恥ずかしさが先に立つ。
「今日はずっと内勤?」
「はい、その予定です」
「じゃあ、一緒にお昼食べようか…?」
「佐伯さんも、今日はずっと社にいらっしゃるんですか?」
「そう、その予定。昼は空くから…ね?」
「そうですね、みんなも誘って」
「…えー」
「だって、会社で二人っきりって…」
「分かってるよ。でも二人でお昼食べたかったね」
佐伯がそういう風に言うから、真白は二人で昼食を摂るつもりでいた。だが、11時頃に佐伯からメッセージが入る。
『今日は、急用が入って、一緒にお昼ご飯食べられなくなっちゃった。この埋め合わせはちゃんとするからね。ごめんね、真白』
『大丈夫です。埋め合わせもいらないですよ。佐伯さん、ちゃんとご飯は食べてくださいね』
そう返信したが、真白はちょっと残念に思った。佐伯と暮らしてから佐伯が家に居れば、顔を合わせて二人でご飯を食べているのに、それでも佐伯の傍にもっといたい。そう思う気持ちが日に日に強くなってるいる。時々そんな自分が怖くなってしまうが、それを察しているのか、佐伯は大丈夫だよっと言ってくれる。だから大丈夫。そう思い、真白は食事を摂る為に社食へと足を運んだ。
佐伯はその頃、上層部の人間が使う為の特別室にいた。久しぶりに兄弟全員が揃う。そして、社長の佐伯 当夜(とうや)と会長の佐伯 廉太郎(れんたろう)もいた。なにもなければこの面子が揃う事はない。ということは、何かがあったのだった。
「監察部の方からの報告で、気になる事があったので集まってもらったんだよ」
そう口火を切ったのは、専務の佐伯 煌八(こうや)だった。煌八は佐伯家の長男だ。ぐるりとみんなの顔を眺めると、少し困ったような顔をする。
「わざわざ会長までお越し頂いたんだから…それなりなんでしょう?」
そう言うのは副社長の佐伯 一実(かずみ)だ。一実は、ちらりと祖父である会長を見た。常務の六彌(むつみ)も先程配られた資料のデータを眺めて溜息を吐いている。佐伯は、その配られた資料を見て、珍しくフリーズしてしまった。その資料には現在建設中の海上都市モジュールの監視カメラに写る一体のマモンだった。深夜の現場にそのマモンは青く美しく光り輝いていた。そして、人型をしている。ゆっくり歩いてふと、止まり監視カメラを見上げた。その顔は愛しい人の顔…
真白だった。
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