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【番外】無気力だって嫉妬します。
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あれからメッセージをいれても完全に無視。
伊吹と喧嘩という喧嘩はあの時だけだったから、正直言って困っている。
だからと言って共通の知り合い——柳瀬とか草薙に相談するのは個人的にムカつくから嫌かな。
学校で何とか捕まえて話を聞いてもらわないと。
俺の悪ふざけが原因だしね。
そう思いながら登校すれば。
「なにあれ」
「なんかわだかまりが解けて、仲良しに戻ったみたいだよ」
「....草薙」
俺の独り言に答えをくれたのはいつの間にか隣にいた草薙だった。
そして俺がなにあれと言ったのは、眼前の光景だった。
あれ程怯えていた伊吹が、柳瀬と楽しそうに話していた。
確かに2人は親友だった。
でもね、あんな事があってこんな簡単に許していいの?いや、許すなとは言わないけど。
柳瀬だってあんなにデレデレした顔して。
俺の伊吹なんですけど。
「伊吹」
「げ...雀」
「げって何。話ししたいから今ちょっといい?」
俺が話しかければ、あからさまに嫌そうな顔。
「今柳瀬と話してるから」
「柳瀬。いい?」
「は?俺は別に....」
「や、柳瀬!」
柳瀬に許可を取れば、伊吹は縋るように柳瀬に助けを求める。なに、そんなに俺と話すの嫌なの。面白くない。
「そう。時間空いたら来てくれればいいから」
「あ....」
俺がそう言って踵を返せば、その場には気まずそうな空気が残った。
何これ、俺悪者じゃない?悪者ですけど。
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