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君じゃなきゃ嫌だ
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あの騒動があって、雀が言った通り柳瀬は大人しくなって。
草薙も憑き物が落ちたような顔をしていた。
付き合い始めて速攻で別れた二人にクラスメイトは動揺を隠せない。
だけど、仲が悪くなった訳でもないから気にはなるけど事情は聞かないようだ。
そして俺も。
雀がまた他人になってしまったような気がした。
廊下で会っても、見てくれない。
嫌だ。寂しい、なんて。
そんな中で草薙は、俺に優しくなった。
あの時の謝罪をされ、俺は許した。
そしたら、友達からまた始めてくれないかってお願いされて。
つくづく甘いなって自分でも思う。
だけど、惚れたら負けって奴だと思う。
しかし、この頃草薙の雰囲気が甘い。
俺に接する態度が糖度を含みすぎてる気がする。
何かをするにも手伝ってくれるし、ずっと一緒に行動していて。
前の俺なら嬉しくて幸せで死んでる。
前の、俺なら。
草薙の事が好きなのか、この頃分からない。
一緒にいて楽しいけど、優しくしてくれて嬉しいけど、何か違う気がして。
助けてくれる度、手伝ってくれる度、思い出すのは何故か雀だった。
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