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始まりの告白Ⅱ
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「……ッ!?」
──無意識だった。私は激昂するとこんなにも自分を隠せないのか。
「言っただろ、君が好きだ。」
……私は彼から視線を逸らした。
「君に好かれたかった。だから……──した。」
「はぁ? 聞こえねえよ。」
「君に好かれたくて女装したんだよ!! 戸籍も変えて女として入学したのッ……!!」
周りのみんなを騙してまで君が欲しかった。
「…………マ、ジで……?」
君はそう言って信じられないと言った表情で私を見つめていた。
「口調だって服装だって全部君のために変えた。心だってもうほぼ女だよ……!
女になれば君が好きになってくれると思ってたから……!! そしたら、そっちだったとは……。」
くっ……と拳を握って後悔していると、彼は呆れた様子で、「お前には言われたくない。」と冷たく返す。
「だから……冷たくした。トモくんに。トモくんみたいな人が男の俺なんかを好きになっちゃダメだろ……?」
「……お前、バカなの?」
「何が?」
彼は額に手をついて、頭を抱える仕草を取った。
「トモは元々男好きだよ……。」
「……マジかよッ!?」
あんなに冷たくフッチャッタ……。
「ま、女を好きになれたって喜んでたけどな……。」
「トモくん、泣いてた?」
突然の私の問いかけに、彼は私と目を合わせないようわざとらしく反対方向へ顔を向けた。
「見たことないくらい号泣してたよ。でも諦めないってよ。」
「フラレるの分かってたって?」
「ああ。よく分かるな。もしかして見てた?」
「分かるよ。いつものことだもん。」
いつものこと、それは過去に告白されたことについて言っている。
仲のいい男友達はほぼ私から彼を聞き出すために仲良くなったようなものだ。
もちろん皆大事な友達で、今ではみんなとの関係は壊れてしまっている。
彼はその言葉を聞いて、また俺に冷たい視線を向けた。
「テメエ……。」
絞り出された憎たらしそうな私の呼び方は、まるで殺されても仕方ないくらい軽蔑されていた。
「君だってそうだろ。君だってさっき俺のこといつものようにフッたんだろ。」
「……ッ。」
彼は急に目を見開いて、口を閉じて歯軋りをする。
「女の子だって必死だよ。
君との関係を壊したくないだろうし、君に意識してほしくて告白するのかもしれない。
恥ずかしい気持ちも怖い気持ちも押し殺して告白してるのに、あのフリ方は不味いよ。」
「はぁ?」
「まるで期待を持たせるようなフリ方だ。付き合うとかそう言うの考えてない、だったっけ?」
「何しっかり覚えてんだよ……。」
彼はばつが悪そうに頭を掻いて私を睨む。
「付き合うと思わせようと意気込んじゃうでしょ。同じ子に何回か告白されてんじゃないの?」
「……うぅ……。まあ。確かに。」
私が腰を下ろすと、彼も私の隣へ腰を下ろした。
「あんな曖昧なフリ方は最低だ。」
「なっ……!?」
「ちゃんとフッてあげないと可哀想だよ。
だから俺のことちゃんとフッてよ。
俺の努力全部水の泡だって自覚させてくれ。」
「その言い方は卑劣だろ。」
彼は哀れみを含んだ目で私を見つめた。
「何言ってんの、諦めるなんて言ってないよ。
女になったのがそもそもの間違いだ。口調も心も全部男に戻してやる。
待っててよ。絶対惚れさせる。」
「な……バカか、お前。」
私がそう言って笑うと、彼は突然顔を真っ赤にして、俯いてしまった。
「惚れさせるったら惚れさせる! OK?」
「うるさいッ!! ぜってぇ惚れねえ!!」
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