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始まりの告白Ⅴ
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「ト、トモくん……?」
「分かってたよ、何か隠してるの……。」
「嘘だ……。」
「はは、ホントだよ。」
トモくんの声が近い。身体が熱い。
「だって白舞のフリ方変だったもん。あんな態度取ったことなかったのに、急に冷たくなって……。
諦めさせる為に無理してるんだろうな、って勝手に解釈したんだ。」
図星だった。まるで心が読まれているみたいだった。
「だから諦めないって決めた。
白舞に少しでも意識して貰って、絶対にチャンスをものにするって決めてた。
けど白舞、俺のこと見るとすぐ悲しそうな顔するから近寄れなくて……。」
──俺の言葉に傷ついてた訳じゃなかったのか……。
「トモくん、ごめんね……俺、あんな言い方……。」
「し、白舞泣いてんの……!?」
「だって……。俺トモくんのこと傷つけて……。」
「俺が告白なんかしたからだよ、白舞が悪い訳じゃないだろ……?」
「ト、トモくん……。」
更に強く抱き締められて、トモくんの首筋に口元が埋まる。
──服がなかったらキスになっちゃうな……。
そう思ったとたん、同じようにトモくんの唇が首筋に触れた。
でも、それは服の上からでなかった。
首に湿った柔らかな感触が這うように蠢いている。
──どうしよう、どうしよう……!!
「トモくん……ダメ……っ。」
突き離せない。これ以上トモくんを傷つけることなんて出来ないよ。
湿った熱い唇が離れて、「ごめん……。」と小さな吐息が触れた。
トモくんは俺の服の上に顔を埋めて、スゥ……と鼻を付けた。
──に、匂いなんて嗅がないでえええッ!? //////
「ダメだよ、こんな……っ。俺に好きな人がいるって知ってるでしょ……っ。」
肩に手を置いて身体を反らすと、トモくんは腰にするりと手を回して自分へと引き寄せた。
強く強く抱き締めて、それでも優しい手つきで、俺のことを抱き締める。
密着した胸が鼓動を速くしていく。
身体が熱い。
トモくんの吐息がくすぐったい。
「これくらい許してよ。俺一応落ち込んではいるからさ……?」
遠慮の含んだ弱々しい言い訳に、俺は納得した。
フッたのは俺だ。俺が傷つけたんだ。抱き締められるくらい……別に構わない。
それに……嫌じゃない。
「──夢みたい。」
「え?」
「白舞にこんなにくっついてるなんて……。告白する前にこう言うことしとけば、少しでも意識して貰えてたかな……。方法って色々あるもんだね。」
する……と腰から一方の手があそこへと移動した。
「や……っ、ダメ……っ」
「ご、ごめ──……その、ホントに男なんだね……!」
「確かめたかったの……? 胸もないじゃん。」
「う、うん。分かってる。けど、その……白舞が男でも俺……白舞のこと……。」
肩を押されて、互いの顔が近い位置で正面に来る。
トモくんの火照った顔が熱い息を溢した。
少しずつ、少しずつ、ゆっくりと顔の距離を縮められる。
「白舞……。」
「ト、トモくん……っ!?」
トモくんの長い睫毛が伏せられて、唇に柔らかな感触が触れた。
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