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始まりの告白Ⅵ
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「ん……。」
押し付けられる熱い柔らかいそれに頭の中が真っ白になる。
それに視線を向けると、トモくんの唇が俺の唇を奪っていた。
トモくんは俺に何度も吸い付くようにキスをする。
「ん、ん……/////」
トモくんからの熱い口づけに声が自然と漏れてしまう。
どうしよう、嫌じゃない。嫌じゃないよ……。
……トモくんの唇……。柔らかい……。気持ち良い……癖になりそう……。
「白……舞……っ////」
「んん……っ/////」
唇の間にぬるっと抉じ開けるように何かが侵入してくる。
「ふ……ん……っ/////」
甘い味が口の中に広がって、舌が滑らかな感触の何かに撫でられる。
歯の隅々まで撫でるそれを、舌だと判断するのに時間がかかった。
……トモくんの口の中に宇宙人が住んでるって言う落ちならどれだけ良かっただろう……。
「トモ、くん……。ん……/////」
どうしよう……どうしよう……。
やっぱりダメだよ。こんなの……。
握っていた服を離して、トモくんの胸を強く押すと、その両方の手を握られた。
トモくんは指を絡めて、俺の精一杯の抵抗をすんなりとかわしてしまう。
トモくんの舌はスポーツドリンクの味がした。
ユニホーム姿の彼はきっと部活が終わった後にトイレにでもと思い入ってきたんだろう。
かなりのスタミナがある彼は汗の匂いがしない。微量の汗はかいているようだけれど、ちゃんと綺麗にタオルで拭き取ってデオドラントを付けていた。
トモくん部活頑張ってるんだな……。
──唇に吸い付く彼の唇を見ると、本当に彼にキスされているのだと実感した。
その実感と共に、俺は自分自身をトモくんに委ねていることに気がついた。
俺はトモくんをフッておいて、トモくんに触られるのを嫌がっていない。
トモくんからのディープキスを受け入れている……と。
俺の手を離そうとしない彼を、突き離すことができなかった。
だからトモくんの舌を少し強く噛んで、俺は彼に唇を離させた。その一瞬で顔を背けて、トモくんの表情を見ないようにした。
「──トモくん、ダメ……やめて……っ!」
トモくんの表情を見ることができない。どんな顔をしてるんだろう、俺はまた彼を傷つけているのだろうか。
トモくんが身体と一緒に俺の手を離した時、反射的に顔を戻して彼の表情を見てしまった。
「──ご、ごめ────……」
泣きそうな声でそう呟いて、申し訳なさそうに眉を下げて、俺のことを愛おしそうに見つめていた。
何、その顔……。
そんな表情で俺のこと見ないでよ……。俺は、トモくんを傷つけたのに、まだ好きって言いたげなそんな顔で見つめられたら、可笑しくなっちゃうよ……。
トモくんから目を逸らして、逃げるようにトイレを飛び出した。
「待って──……!! 白舞──…!!」
口元を手の甲で押さえながら冷えた廊下を走る。火照った身体を冷ますにはちょうど良い涼感だった。
──鼻がツーンんとして、目からじわりと涙が溢れた。一粒頬を伝っていくと、どんどん溢れて瞳が涙で一杯になった。
何度手で拭いても拭いきれない。顔中濡れてしまっている。冷たい空気が濡れた場所を撫でていく。
──何で泣いてんのかすら分かんないよ……。
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