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大好きな幼馴染みⅣ
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トモくんの時みたい。
「楽……。」
──そう思った矢先、こーちゃんの唇が額に触れた。
「こ、こーちゃん……っ!?」
唇に向けられていた筈のそれは、いつの間にか上に上がって額に触れていたのだ。
動揺して焦点が震えて彼を直視できない。身体が熱くなりすぎて血液が沸騰しているみたいだった。
彼の真っ赤な泣き顔が眉を下げて、じっとこちらを見つめてくる。
「──好き……。」
彼の形の良い唇が微かに動く。上気した息といい、掠れた声といい、色っぽくて敏感に俺のあの場所が反応してしまう。
「こ、こーちゃん……。」
「──……じゃ、ないからな。お前のことなんて何とも思ってないからな。変な勘違いするなよ。」
──心臓がうるさい。
こーちゃんの唇に目がいく。
こーちゃんの涙に魅了される。
額に残る感触に熱がたまっていく。
「こーちゃん、もっかいして。」
「は?」
「今の、もう一回、して……。」
気付いたらこーちゃんの唇に唇を近付ける自分がいた。キスしたいと思う自分がいた。
「こーちゃん、俺……こーちゃんのことが……」
「が、楽……?」
こーちゃんは目を見開いて見つめていた。
脈が早くなっていた。鼓動が全身に響いて爆発寸前のカウントダウンみたいだった。
こーちゃんの唇の吐息が感じられる程近い。
こーちゃんは俺を見つめながらゆっくりと目を閉じて、まるで求めているかのように、唇を少しずつ突き出した。
「こーちゃん……。」
近くなったそれに俺も耐えきれず唇を伸ばした。
こーちゃんと……ちゅー……したい。
──そう思った時だった。
トモくんの顔が浮かんだ。
トモくんのあの俺を見る複雑な瞳を思い出した。
こーちゃんの唇に自分の唇を押し付けたい。吸い付いてもう一生離したくない。何度も何度もしゃぶりついて俺だけのものにしたい。
……けど、俺はトモくんに引け目を感じて、キスができなかった。
こーちゃんの震えた、キスを待つ真っ赤な顔が可愛いかった。
今すぐ強引にその唇を奪いたかった。
「こーちゃん……やっぱり出来ない……。」
こーちゃんの肩に額を落とすと、自分の肩に冷たい何かが落ちた。
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