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大好きな幼馴染みⅦ
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恐る恐る彼の表情を窺うと、鬼面でも見ているのかと錯覚するほど、恐ろしく怒気を纏った表情をしていた。
「だから泣いてたのか……?」
「え?」
「あいつに泣かされたのか、変なことされたのか……!?」
こーちゃん、俺が襲われたと思って怒ってくれてる。今すぐにでも彼のもとへ向かいそうだ。
「ち、違うんだ……。俺、受け入れたんだ。キスされていたいって、触られたいって思ったんだ……。トモくんにもっと……たくさん。」
「どこまで受け入れたの……。」
「抱き締められるとこから……舌、入れるとこまで。」
「どこに。」
「口にだよ。他にどこに入れるのさ。」
「後ろだよ。」
一瞬呆けてしまう。
「……こ、こーちゃんお下品だよっ!?」
「照れるな可愛い。」
「こ、こーちゃん……っ!!」
こーちゃんはそっぽを向きながら、俺の頭を撫でて頬に朱を乗せる。恥ずかしくて視線が自然と下に落ちた。
「楽があいつのこと大切なのは分かった。けど楽はあいつをフッたし俺もお前をフッた。」
その言葉を聞いたとたん、胸が苦しくなった。そうだよね、こーちゃんにフラレたんだよね、俺。
「だから今度は、俺が言う番だ。」
「え?」
撫でられていた手が突然離れて肩をぎゅっと優しく掴む。
両方に置かれた手が弱々しく握り絞めて、すぐ離れていけそうだけど、その震えた新鮮な空気が、愛おしくて逆に離れられそうにない。
「俺は、楽が好きだ……。」
「は、はい……!!」
「俺と、その、付き合って……ください……っ。」
「こ、こーちゃ──……」
「──返事はッ!?」
「はいッ!! ──ぁ……」
「い、今のどう言う返事……?」
こーちゃんは急に俯いて、ぽっぽと上気した。
「ご、号令的な感じでございまする……。」
しゅん、と肩を落として、唇を咬んで睨み付けてくる。
「楽の意地悪……。」
その鋭い目付きからポタポタと涙が零れ出す。
「ごめんこーちゃん泣かないでよ……!」
「泣いてない……ッ!! 目薬!」
「いつ入れたのッ!?」
「3週間前っ!!」
「それはそれで大問題だよこーちゃんッ!?」
こーちゃんはぎゅぅっと俺の胸に擦り寄って、甘えてくる。もうさっきからそれ可愛いよこーちゃぁん!
「返事待ってた方がいい?」
「その……ちゃんとケリ付けてから、返事したい。」
「トモのこと好きとか言い出したら怒るからな。」
「こーちゃん可愛い大好きぃ~っ!!」
こーちゃんを思いきりぎゅぅ~っと抱き締めると、こーちゃんはちゅ~っと唇を突き出して、キスをせがんでくる。
「楽キスして~っ」
「や~っ!」
「「ぷっ……」」
俺たちは二人同時に吹き出す。
「「あっはっはっはっは、はははっ」」
まるで昔のように笑い合って、俺たちは数年ぶりの再開をやっと果たした。
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