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意地悪Ⅰ
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「全然気づかなかったよ、モテモテ学園一美少女が楽だなんて……。でも俺のこと好きな割りに気づいてなかったよな?」
「えぇ~俺だってずっと見てたよ、脱色やんきー。」
「オイ」
脱色って言うな、と自分の髪を恥ずかしそうに掻き上げる。
こーちゃんの可愛さは天使ブチ殺す程だなぁ。
「俺の見た目変わりすぎ……?」
「性格の悪さは変わらないのにね。」
「泣くよ……?」
「わぁあ!? 泣かないでこーちゃん冗談だから!」
涙目のこーちゃんは肩に額をずりずりと押し付けてくる。
「楽の意地悪……。」
「──でもだいたい合ってるよね……?」
「ぅぅ……。」
眉を下げて目をうるうるさせるこーちゃんの泣き虫っぷりがもう可ん愛いいいいいいいいッ!!
「こーちゃぁ~ん。」
腰を抱き寄せてすりすりと頬擦りしていると、ベシンッと叩かれ押し離されてしまった。
「くっつくな。」
「こーちゃんさっきくっついてきたじゃん!?」
「俺はいいんだよッ!!」
「何その理屈!?」
……ズルいよこーちゃん可愛いよっ!
「俺……楽が引っ越してからずっと公園で待ってた。」
「え?」
「毎日待ってた。絶対いつか来るって思って。」
──行った、何て言えない。女姿で。
実はこーちゃんに好かれたくて女の格好したなんて言えない。
いつかこーちゃんと再開できる日まで女磨いて、好きにさせようって思ってたなんてこと言えない。
「楽、女姿で、合ってるか分かんなくて声掛けられなかったんだ。」
──気づかれてたッ!?
「……楽に会えなくなってから、俺……楽の姿ずっと探してた。」
「俺も……こーちゃんに会えなくて、寂しくて探したよ。」
「高校に入学したら、クラスに楽の名前があって、嬉しくて……。」
「女だったと……。」
こーちゃんは頬を膨らませて横目で睨んでくる。かんわいいよこーちゃんっ!!
「楽の声だし、楽に似てるし、楽の仕草だし……。
話し掛けたかったけど間違ってたらと思うと怖かったんだ 。
もし楽なら俺のこと分かるって思ってたしこーちゃんって前みたいに呼んでくれるかなって思ってたけど名前すら一度も呼ばれたことないし……。」
「うう、ごめん。名前の表なんか見ないんだよ俺。だってそれが話しかけるチャンスなのにさ。
まあヤンキーと仲良くなろうなんて思わなかったから。」
「はぅぅ……」
「やぁーっ!? ごめんごめん泣かないでこーちゃぁん……っ!」
わたわたと慌てて手を振って否定していると、こーちゃんが、ぴと…と胸にくっついてくる。
「撫でてくれたら泣かないかも……。」
可愛いいいいいい~好きぃいいいいいいい~ッ!!
「でもね、ヤンキーモテモテだったから注目されてたし、俺ちょっとだけ見てたんだ。」
「どんだけ泣かせたいの俺のこと。」
むすっとするこーちゃん可愛いよぅ……っ!
「そしたらね、こーちゃんみたいに笑うから。
何か気になってずっと見てた。
そしたら、そしたらこーちゃんみたいな仕草するし、こーちゃんの顔してるし、こーちゃんの声だし、なんか、めっちゃ似てるイケメンヤンキーだぁって思って、こーちゃんだって気づく前に好きになっちゃった。」
「はぅ……っ。好きとか言うなっ。」
「だ、だって、す、好き……だし。」
真っ赤になってそっぽを向くこーちゃん可愛いっ! 抱き締めたいっ!
「それで……さっき名前聞いた時、ビックリして……。」
「名前くらい日常で聞かなかった訳?」
「興味なかったもん。こーちゃんに似てるイケメンにしか。」
「イケメンは楽だろ!」
「俺は美少女だったもん!」
「化けすぎだよ……本当に女みたいだった。」
こーちゃんは妙に嫌そうな顔をして睨んでくる。
「あれ、そう言えばこーちゃん、何で男好きになったの?」
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