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意地悪Ⅱ
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「俺そんなこと一言も言ってないけど? ただそうかもね、って言っただけで。」
「でもトモくんのことネタにしたらめっちゃ怒ってたし。」
「だって、女は普通に嫌いだし、楽は何かトモと話したがるし……。好きなのかなって二人を応援してたし……。」
「──俺がトモくんを好き!? 誤解だよ!
こーちゃんが好きだからこーちゃんのことを聞き出してたんだよ!」
「分かってるさっき聞いた……っ!」
こーちゃんは真っ赤になってバシバシと俺を叩いてくる。
て、照れてるこーちゃん可愛い……っ!
「そしたらトモのことフルし意味分かんねーし……。
そういやこう言うモテる女って簡単に男落とすテク知ってるんだったなって思ったら、イラッとしてよ……。
もし俺が好きになってたら、トモみたいに軽いネタとして使われんのかと思ったらムカついた。だからフッたんだ。」
もう辺りは真っ暗になっているのに、月明かりに照らされる彼の表情は綺麗な程に輝いていた。
じっと見つめていたら、彼がこちらに顔を向けて、真剣な視線を向けてくる。
「それに俺は楽が好きなんだ。
女になり済まして近づこうとしなくたって、俺は楽が好きなんだよ。
だから、男って聞いて元に戻って欲しかったし、俺何か、苛々してた。」
「え?」
「だって、もし楽なら、俺に何も言わずに引っ越しやがったし、待ってても来ないし。
俺ばっか好きなのに、好きとか言ってくるし……。
もしかしたら楽が俺だって分かっててからかってるんじゃないかって思ったんだ。
好きとか言うのも、全部演技で皆でバカにしようとしてるんじゃないかって想ったんだ。」
否定しようと口を開こうとすると、唇に人差し指が触れて制止される。
「でももうそれでもいい。もし今もからかわれてたとしても、その言葉の責任持たせてやる。
ずっと俺のそばにいさせてやるからな。」
その笑顔が意地悪で、やんちゃで、まるで独占欲の塊を見ているかのような気分になった。
自信に溢れた笑顔が、まるで彼がわがままな王様のように見えてしまう。
「こ、こーちゃん……。」
名を呼ぶ俺の唇を這うように指で撫でて、彼はそれに熱の籠った視線を注ぐ。
「楽が女装って言った時、信じられなかった。
女のお前にはビッチの癖に楽の面影とかありすぎて、マジ嫌悪の塊でしかなかったけど、楽なのかもしれないっておもったらドキドキしてた……。
だから戻ってって言ったんだ。もし楽なら、告白しようって……。」
「ん……///」
強く触れられて、恥ずかしさでつい声が漏れてしまう。
「でも思い直してさ、楽な訳ないって否定した。
だから楽の顔が見えた瞬間、パニクっちゃって。その上なんか泣いてるし、慰めないとって思ったら、こーちゃんじゃない俺じゃ、抱き締めるなんてこといきなり出来ないし……。混乱して、混乱しまくって……っ。」
荒くなり始めた息を制止するように、俺の唇から指を離して、自分の唇にさりげなくそれを押し付ける。
恥ずかしい気持ちで一杯になりながらそれを見ていると、気づいた彼が顔を赤くして、俺の熱くなった頬を両手でゆっくりと包んだ。
「楽の顔見てたら、楽が目の前にいるって感じたら、気持ちが抑えられなかった。だから、キスしたかった。」
「こーちゃん……。」
「好き。」
「こーちゃんッ!?」
こつんと額を当てて、じっと上目遣いで見つめてくる。
今にも泣きそうな表情をして頬に擦り寄るようにして頭を横に持ってきて、ぴったりと身体をくっ付けてきた。
「好きだよ楽。今すぐ俺のものにしたいくらい。」
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