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意地悪Ⅴ
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刹那、熱い湿ったものが耳の後ろを撫でた。
「やっ……めて……っ////」
「俺のこと好きって嘘ついて、俺を惑わせる……。」
……お仕置きをした後、逆ギレしたこーちゃんも、よくこの場所を狙ってきた。
こーちゃんの舌はチロチロと少しずつ刺激を与えて攻撃してくるし、長時間掛けての拷問のような羞恥が身体を襲う。
「嘘……何かじゃ……っ!! ///」
「……嘘だよ。」
こーちゃんは俺を抱き締める力を強くして、耳の隅々までしゃぶり出した。
「ん……っ////」
「だって、楽はトモのこと好きなんだろ?」
「……違──!! ──あっ……///」
さっき否定したばかりじゃないか。何でそんなこと言うのさ。
こーちゃんは心を読むかのように、俺の聞きたいことをすらすらと口にした。
「トモと一緒にいた時が一番笑ってた。俺といても泣くだけだよ。笑うことより泣く方が多かった。」
「それこーちゃんじゃないの。」
「テメエだろ……。」
声で怒りが分かるほど俺たちは想いあってるんだよこーちゃん……!
とっても怖いっ!
「俺は楽と一緒にいられればそれでいいんだ。
例え好きになってもらえなくても。
でもよ、トモは違う。トモはお前のこと凄く大切に思ってるし、それはお前も同じだろ。」
「だから、何だよ……。」
「俺はトモよりも好きな自信がある。
けど、楽が幸せなら手放してもいいって思うくらい、バカな部分があるんだよ。
──トモは絶対違う。あいつはお前を誰にも渡そうとしない。自分自身で幸せにするだろうよ。」
「だから何が言いたいんだよこーちゃんっ!!」
「好きだよ楽……でも好きじゃない。
思い込みは俺の方かもしれない。こんなので付き合えない。楽を傷つけたくなかったんだ。なのに、傷つけちまった……。」
「いーよ……。こーちゃんになら傷つけられたって構わな──」
「いい訳ねえよ……っ。楽の泣き顔なんてもう見たくねえし、俺がお前を泣かせるなんてこと、もう──!!」
「じゃあ好きになってよ今すぐにっ……!!
俺はこーちゃんが好きだよ、例え傷つけられたって好きだよ……っ。
だって、こーちゃんだって分からなかったのに、こんなに君に惹かれてるんだ。俺は絶対、何度も君を想うんだ。」
身体の前後を逆にして、胸と胸を重ねるようにして彼を見つめた。
「想って泣き続けるんだよ……。」
涙を流し続けている俺の顔を見て、こーちゃんは額をくっつけて見つめてくる。トモくんよりももっと、愛おしそうな瞳で。
「幼馴染みと分かったとたん、付き合うなんて虫のいいことできるはずねえよ。
ちゃんと好きになる。ちゃんと好きにさせる。それまで押さえろ、その思い込み……。」
「──……本当に思い込みなのかな……。」
「俺たちはずっと一緒だった。たぶんこれは異常な家族愛みたいなもんだよ。」
「……大切だからこそ錯覚してるって言いたいの?」
こーちゃんは俺を見つめたまま黙り込む。その輝く金の宝石に見とれていると、突然瞼に邪魔されて、至福の時が止まってしまった。
「とにかく、無理なんだよ。今は。」
「保留? 期待させるつもり?」
また彼の目が開かれたと思ったら、より一層輝きを放って美しさが増した。
涙の溜まる月の瞳が、俺の瞳を捕らえて離そうとしない。
「……じゃあずっと無理だ。諦めてください。俺も諦めるから。」
「……ぅ……やだ好きでいて。」
「ズルいな。」
「俺も好きでいるから。」
潤んだ瞳から、溢れ出すように月光の塊が頬を伝って落ちていく。
「ダメだよ。もし本物の好きなら、きっとまた好きになれる。もし俺たちが一緒になる運命なら、きっとまた惹かれ合うよ。」
「じゃあ明日からリセット?」
「幼馴染みとしてな。男で来いよ。女に襲われたら俺がボディガードになってやるから。」
「そう言えば女嫌いの理由聞いてなかった。」
「……俺の楽にベタベタ触るからだよ。」
「諦めさせる気あるの?」
「明日からだし。」
「相変わらず我が儘だね。」
これ以上見てられない……そう思って目を瞑ると、
「…………楽……」
こーちゃんの掠れた声が、しっとりと撫でるように耳についた。
「……キス、していい?」
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