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絶対に落とされないⅤ
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「ふぅ……完璧だ。」
「わぁ~っ綺麗だね。」
うお、いつの間に帰ってきたんだ!?
こ、行動も早いのか……。
「白舞さん、ありがとうね参考資料。重いのに。」
「ううん。全然、あんなの軽すぎるくらいだよ。」
どんな腕力だよ……。
──近くで見るともっと可愛いなぁ……。
睫毛長い……って何だ〝つけまつげ〟か。
学園一美少女もメイクで化けてる訳か。
「あ、そうだ天川くん、クッキーいる?」
「え、クッキー?」
「うん、昨日お母さんと作りすぎちゃったんだよね。」
彼女はぱっと手を取って俺を引っ張って歩き出す。
ふ、ふん、こんなもので俺は落ちないからな。
白舞の手口がだんだん読めてきたぞ、いい子ちゃんいい子ちゃんしてるんだな。
まず最初は名前を呼んで、
「え、何で名前……。」「私あなたが好きだから名前覚えてるの。」と言う手口で意識させる。
次は、何か適当なことを口実に仕事ぶりを見せて、
「私なんでもできるんだよ。」「いいお嫁さんになりそうだ……。」と言う手口で将来性を保証。
そして今現在行っているのは──…………
「はいっ! 味は完璧だよ!」
「焦げてるけど……?」
「えへへ、冗談だよ、こっち。」
う、可愛い……。
──「料理もできるのか。」「うん食べてみてっ!」「うまい、更にいいお嫁さんになるぞ!」
と言う手口で胃袋を掴むつもりだな。
てか、先に心が反応してしまったよ……。
「食べないの?」
「え、あ、食べる!」
「うん。はい、あーん……っ」
何でそんなにいつも笑ってるんだよ、可愛いなぁっ!
──ってダメだぁああ!!
惑わされるな、白舞さんはこの〝あーん〟で完全に仕留める気だぞ!
……俺は、絶対に落とされないからな。
恥ずかしさをまぎらわそうと、目を閉じる。
クッキーを加えると、何かクッキーとは違う硬い感触と柔らかい感触が唇に触れた。
何だろう……と、舐めてみると、それは一瞬震えるように蠢いた。
「……ん?」
まさか……。
「あ、あの、えっと……/////」
──ゆ、指いいいいいいいいいいいいいいいいいいッ!? //////////
「ご、ごめんごめんごめんっ!? わざとじゃないんだ白舞さんっ、ごめんなさいっ!! //////」
「あ、いや……う、うん、大丈夫だよっ。私が手であげたりするから……ごめんね汚かったね……。」
だ、だからなんで笑顔……っ。
白舞さんは下がった眉のせいでしょんぼり具合がよく分かる表情をしている。
そんな表情でそんなこと言われたって……。
「き、汚くなんてないよ。白舞さん綺麗だよ。」
「え……?」
ぽぽっと顔を赤くする彼女を見て、自分の言った言葉の意味が違う方向に受け取られてしまったと気が付いた。
「ち、違う! その、違わないけど、えっと、き、汚くないって言いたいかっただけと言うか!
いやもちろん綺麗だけどその!」
もう俺何言ってんの!?
わたわたと慌てて弁解し続けていると、くすっ、と、前から優しい小さな笑う声が聞こえた。
「大丈夫だよ、もう分かったから。」
「あ、ぅ……///」
「でも綺麗なんて照れるな……。へへ……ありがと天川くんっ////」
……か、……かわうぃ……うぃううう……。
み、認めてはダメだ。確かに可愛いが、落ちてはダメだ。
──でも、何か、白舞さんの笑顔を見てると、心が満たされるような気分になるな……。
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