アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
洗脳Ⅱ
-
彼はクスクスと笑って、俺の頭を撫でる。
「さあね。」
「ちゃんと言え、そこまで言ったんだから、言えよ。」
ふぅ……と溜め息を吐いて、俺の頭から手を離した。
「君は大勢の人に好かれる。外見も中身も、全部。
それが妬ましかったから、君の大好きな白舞楽夜くんに嫌うように言ったんだ。」
「楽が俺を嫌う要素と言ったら小ネギを苛めてることくらいだもんな。」
「そう、そして朋哉のことを勝手に好きになりやがった。朋哉も彼に夢中らしい。」
彼は俺が凪波(なぎは)朋哉のことを〝小ネギ〟と呼ぶのを知ってるらしい。
凪波の〝凪〟が似ているからと〝ネギ〟と呼んでいた。
だけど小ネギみたいに細くて弱っちいから〝小ネギ〟と呼び始めた。
「これはかなり酷い状況だ。でも朋哉が幸せならそれでもいい。」
「もしあいつが泣かせたら、お前はどうするつもりなんだ。」
「……殺す……と、言いたいけど、朋哉が悲しんじゃうからね……。それはやめておくよ。君も悲しいだろ? ずっと嫌われ続けるのは。」
「……つまり楽に俺を好きにさせて、あいつから引き離すつもりか?」
「君には彼が必要だ。俺が朋哉を必要とするように。」
「いらない。」
「え?」
「あんな奴、いらない。」
「いいの? そんなこと言って。聞かれたら泣いちゃうんじゃない?」
「あいつは俺の楽じゃない。お前に洗脳された空っぽの玩具だ。俺の楽は俺しか見ない。」
「でも君は……白舞楽夜くんを見ていないよね?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
66 / 307