アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
好きな人Ⅰ
-
「いってきま~すっ!」
──うんうん、今日もいい天気だぁ。
「今日も大量クッキーを友達に分けよう! あれ、そう言えば、何か減ってたような……。」
──ちゃんと枚数は計算している。あと一袋分足りなかった。
もしかしたら父さんと朝喜が食べたのか?
一袋15枚だから、それくらいなら二人で食べれるだろう。
まあ何枚か無くなったところで大量に余っているのは事実だし。
「……。」
──何だろう。
急に胸が痛くなった。喉が狭まるような、少し詰まったような息苦しさがある。
「疲れてんのか……?」
何か、学校行くのが憂鬱だな……。
「──お、あれは……
──おーい、蛭(ひる)ちゃーんっ!」
歩道に親友の後ろ姿が見えて手を振って駆けていくと、彼女が勢いよく振り返る。
「その声は楽ちゃぁ~んっ!」
キラキラと輝いていたお目めが、突然光を失った。
「マジキモい。誰あんたキモい。何であんたに楽ちゃんと同じ呼び方されないといけない訳汚さないでくれないか。」
「……えっと、蛭ちゃん? 俺楽夜(がくや)。ほら、白舞楽夜。」
「…………はあ。だから?」
「え、だって、その俺達友達だろ?」
「男は全て敵ですけど?」
な、何。何で?
俺元から男…………もしかして、蛭ちゃんを怒らせた? 嫌われたのか?
……蛭ちゃんは俺が友達じゃないって言いたいのか?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
72 / 307