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好きな人Ⅱ
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「あ、あの、蛭ちゃん……!」
蛭ちゃんはどんどん先へ先へと行ってしまう。
一所懸命に付いていくと、「着いてくんな男め。」と吐き捨てるように言われる。
「待ってくれ……!!」
何だ、自分の出す声に違和感がある。
何かいつもより高くなって気持ち悪い……。
「しつこい、何なんだ貴様は!! 楽(らく)ちゃんの声に似せるな!!」
「……らくって……?」
「何だ、貴様知らないのか。
私の大親友〝白舞楽夜(らくや)ちゃん〟だ! 凄く可愛いんだぞ、超有名人だッ!
貴様も惚れるに違いない、だが譲る気は一切ないッ!!」
「え? そんな子いたっけ?」
学校中の女子とはクラス学年関係なく仲良いし、皆の名前覚えてるし……。有名人であるその子を知らないのは可笑しい。
何か俺と名前も似てるし、覚えやすいと思うんだけどなぁ……。
「あ。」
またそそくさと足を進めていた彼女は、俺が追いかけた瞬間ぴたりと足を止めた。
視線の先には茶髪の爽やかイケメンがいる。
何故か分からないけど、彼は……何だか寂しそうな表情をしていた。
「天川くんっ!! 助けてくれ……!!」
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