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思い込みⅦ
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「……好きだって言ったら、そんな感情忘れろって……。」
「何で……?」
「……俺に嫌われてほしくないって。」
「はぁ?」
泣きそうな顔をするアマカワくんを見つめて、コウくんは首を傾げる。
「俺が本当に絶兄のモノになったら……もっと束縛しちまうって……。」
「何だよそれ。あいつ怖すぎんだろ……。」
「束縛されてもいいって、言ったんだけど……俺を自由にするって、忘れさせられた。」
二人とも、凄く寂しそうな顔をしている。
……嫌だ。そんな顔をされちゃ……。
よく分かんねえけど……嫌だ。
──彼らの苦しそうな表情のせいか、いつの間にかあいつは沈んでしまっていた。
これならまだ我慢できそうだけど……。
アマカワくんがこちらにちらりと視線を向ける。
「白舞は似てたんだ。
俺を助けてくれる所も、優しい口調も、皆に慕われてる所も、完璧で俺にとって高嶺の花だってことも……似てた。
絶兄を重ねて好きになった。」
胸が痛い。
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