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思い込みⅧ
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……さっき好きじゃないと言われた時とは違う。
なぜこんなに苦しいのか分からない。
彼の〝好き〟が、俺でなくてその人に向けられていたと知ったから、なのだろうか。
「でも君は白舞楽夜だ。絶兄じゃない。例え似ていても、別物だってこと分かってる。
……きっかけがどうであれ、俺は結局、白舞楽夜に惹かれたんだよ。」
「……っ///」
──心を読まれたんじゃないかと思った。
彼は真剣な視線で、俺のことを見つめてくる。
「で、でも君は……そのナギハさんのことを好きなんだろ?
別に弁解なんてしなくても────……」
「いい加減思い出してくれッ!!」
肩を掴まれて、ぐんと顔を近付けられる。
「──え?」
「君は俺を好きだと言ってくれた人だ……白舞、君のことが好きなんだ。忘れられてるのは辛い。
全部無かったことになんて出来ない……。」
「な、何の話……」
優しく腰を引き寄せられ、抱き締められる。
……抱き締められる度に、
見つめられる度に、
彼の声を聞く度に、
胸が苦しくなる。
──意味もなく、泣きたくなる。
「……好きだ、好きだよ白舞……。」
「──……トモくん……」
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