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偽りの記憶Ⅱ
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トモは俺の涙を袖で拭って、問い掛けてくる。
「──どうも思わない……。」
「思い出してほしくないのか? 俺達や皆と過ごしてきた日々。
今のあいつの記憶は完全に別人のモノだよ。例え身体も脳みそも白舞であったとしても。」
確かに、女装していた頃の記憶が、男として過ごしてきた記憶とすり替えられている。
男だけど女友達が多いとか、女の子なら気軽に話せるとか、きっと何も違和感を感じないで過ごすに違いない。
けど、あいつはずっと女だった。
この学園で女として友達を作り、女として生きてきた。
……今あいつは、きっと周りの変化に戸惑っている。
自分を女だったと、好きだったと、告白したと、
騙してたのかと、
責められ罵られ、きっと、自分の知らない自分に恐れている。
──絶華が恐ろしい……。
あいつは何がしたいのか分からない奴だったけど、楽だけ解かずにいる意味は何だ?
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