アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
偽りの記憶Ⅲ
-
「……偽りの記憶だもんな。無意識にそう思い込んで、性格までも変わってく。」
「ずっと好きだと思ってた人より、もっと好きだと思ってる人のことを思い出す。」
「……お前の従兄弟のせいで狂ったな。
記憶が操作されてたとは言え、好きになっちまったのは本当だ。
洗脳が解かれた今でもあいつを見ると胸が痛くなる。」
自分があいつを好きだと思ってるのか分からない。
けど、トモに好かれる楽を妬ましいとは思ってる。
「昔はよく喧嘩してたもんね。互いに嫌い合ってさ。」
「お前を奪い合ってな。ライバルみたいなもんだよ。」
昔の家は隣同士で、暇さえあれば遊びに行っていた。
けど同じ人を好きになって、今までの関係が崩れた。
「でも3人でいることが多くなった。楽しかったな。
あの頃みたいに3人でいられたら良かったのに……。」
絶華にトモのことを忘れろと言われ、行き場のなくなった好意が、ずっと一緒だった楽に注がれる。
何処から現れたか分からない嫉妬が、楽を奪われた悲しみによるものだと思い込んで、大好きなトモをいじめた。
楽に感じていた嫌悪感も、嫉妬も逆転して、トモに向けられる。
〝幼馴染み〟と言う鎖が解けて、いじめに勤しんだ。
トモは幼馴染みじゃないから、いじめてもいい。
よく知らないけど楽を奪った奴。
……そんな解釈だ。
絶華が楽に話しかけているのを見たことがある。
突然おかしくなった俺を心配していた楽が、それを境に近付かなくなった。
『白舞楽夜くん、君にとって紅州公は幼馴染みだけど、特別ではないよ。ただの知り合いだ。』
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
97 / 307