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偽りの記憶Ⅳ
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父と母が離婚してまもなくだった。母はすぐに他の男性と暮らし始める。
その人はいい人で、俺のことを沢山可愛がってくれた。
けれど、父に会いたかった。会いたいと言えば、母は困った顔をして笑うだけだ。
母も男性も俺を責めることは無かったけど、正直そんなことを言う俺のことに頭を抱えていただろう。
何となく気まずい家から逃げて、楽の家に遊びに出掛けた時だ。
楽は留守で、俺を公園で待っていると言う。
──嬉しくて、走って向かった。
ブランコに座る楽の背中を見つけて、名前を呼ぼうとしたその時、目を奪われた。
あの美しすぎる容姿の少年が、楽の隣のブランコに腰掛けた。
彼は夕方になると毎日、学校帰りにトモと手を繋いで帰っていくあの美少年だ。
そんな彼と、楽が楽しそうに仲良く話している。
何だかイライラして、何の話をしているのか聞きたくて近寄った時、
『──……特別ではないよ。ただの知り合いだ。』
彼はそう言って、
『今言ったこと誰にも話しちゃダメだよ、君も忘れて普通に過ごしてね。』
楽の頭を撫でて、さっさと去っていく。
楽に駆け寄って、「小ネギの兄ちゃんと知り合いなのか?」と聞くと、彼は「何が?」と俺を見て不思議そうに首を傾げた。
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