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大好きだったよⅤ
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父さんが兄ちゃんを呼びに来て、兄ちゃんはよしよしと頭を撫でて──抱き付いてすりすりしてキスしてくるから腹をぶん殴って父さんに差し出した。
「公~……!」
「ほら行くぞ絶華。研究所まで遠いんだ。」
兄ちゃんは襟首を掴まれる。いつまでも俺から目を離そうとしない。
いつもならすぐ行くのに……何でだ?
──何か、胸騒ぎがする……。
「……父さん、何時に帰ってくる?」
口から溢れたそれに、少し眉を下げて父が答えた。
「さあ……今夜は遅くなりそうだ。」
──〝今夜も〟の間違いだろ。
兄ちゃんを見ると、「公~////」と投げキッスをしている。
「キモいキモい」と手で払うと、「きゃ~天使~!」と手を振ってくる。
──もうバカの域を越えてる……。
兄ちゃんが出ていった部屋で、さっきの本の続きを読んでいた。
けど、どうしても引っ掛かる。
「あんな作り物めいた笑顔俺に見せるとか……何考えてんだあいつ。マジきめえ。」
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