アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
食後の一服
-
「ごっそぅさん、始めてにしては上出来だな」
「そうですか、良かったです」
真成寺さんはたっぷり白菜1玉分平らげ、満足そうに腹を擦った
まぁ レシピさえあれば
多分出来ない物は無いと思う
真成寺さんはいつものように
食後のデザートも平らげ、煙草に火を着ける
煙を吐きだし ほぅと息を付き
暫くじっと動かない
何か考えているようだ
俺はその様子を見ながら
「またリクエストしてください
レパートリーが増えるんで
案外楽しいですよ
新しいジャンルに手を着けるのも」
「だな」
……そう言ってまた黙ってしまった
真成寺さんは時々こういう顔をする
上手く説明し難い 何とも言えない表情をする
そして
この顔の時は
俺に言いたい事がある
それは 良くない意味で
俺が訊ねても大丈夫な話だろうか
真成寺さんは一向に口を開かない
痛い沈黙
俺は思いきって口を開いた
「後悔してますか?」
真成寺さんが静かに此方を向いた
「……………どういう意味だ?」
真成寺さんは怒っているような
悲しんでいるような、複雑な面持ちだ
「………俺の復讐に真成寺さんを巻き込んでしまって………もしかしたら もうやりたく無いんじゃないかって…………」
「……………」
真成寺さんは下を向いてしまい 何も言わない
…………………やっぱりそうなのか………
俺も顔を俯かせた
暫くすると
「…………………勘違いすんな」
思わず顔を上げる
真成寺さんがいつの間にか
真っ直ぐ此方を見ていた
「後悔なぞするわけねぇ
するくらいなら 始めから協力しねぇ」
俺の目を見ながらそう言ってくれた
俺は思わずほぉっと溜め息をつく
「俺に気を使わず
お前は自分の思う通りに進めばいい
俺はとっくに共犯者だ」
「………………真成寺さん」
「約束する、何があってもお前の味方だ」
この人はどうしてここまでしてくれるのだろうか
この人には何も得にもならないのに
どうして最近知り合ったばかりの俺の為に……
俺はこの人に何も返せていない
この人の犠牲にした物はとてつもなく大きいのに
この人に何が出来るだろう
この人の為に何かしたい
俺は心の底からそう思った
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
62 / 170