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河崎の日常 2
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乱暴にとある教室のドアを開けると、ものすごい音がする。一斉にそこのクラスにいた奴らの視線を集めた。俺は、そんなことお構いなしに一直線にとある人物の机と向かった。
「葉山。ちょっと来い。」
低い声でそう言ったあとに葉山の腕を掴んだ。
「おい、河崎いきなりどうしたんだよ。」
突然のことに慌てている葉山だったが、途中から俺の後ろを大人しくついてきた。
ガラガラ
少し離れたところにある空き教室に俺は葉山を連れて入った。乱暴に掴んでいた腕を話すと、痛そうに握られていた箇所をさする葉山。
全く、のんきな野郎だ。
「で、いきなりどうしたんだよ。お前がそこまで切れてるってことはセツ関係か?」
「流石だな。頭の回転が速い友達を持つと話す手間が省けて楽だぜ。」
俺が嫌味を言うと、若干ムッとした顔をされた。
「お前、俺にそんな嫌味を言うためにここへ連れてきたのかよ。」
「葉山、梅村に恋人がいるって本当か?」
頭のいい葉山のことだ。多少省いて本題に移っても直ぐに俺が何を言いたいのかわかってくれるだろう。
案の定、葉山は目を丸くしていた。
「その反応……チッ」
いるのか。
「待てよ、突然恋人って言われても何がどうしてそんな話が出てきた。」
戸惑っている葉山をみて、流石にあれだけじゃ言葉が足りなかったかと自分に苛立った。
「梅村の態度が最近おかしいのには気づいてるよな?」
「ああ。」
「今日、刹那が梅村に迫った。」
「は?」
「恋人がいきなり避け始めるんだ。誰でもそうするだろう。……それで、梅村は刹那に恋人がいるって言ったそうだ。刹那のとは浮気だとも。」
葉山は少し考えて、苦い顔をした。
「あの人が、帰ってきたのかも。」
葉山がポツリとこぼした一言。
「あの人?」
「ああ。」
すごく深刻な表情をして、葉山は口を開いた。
「梅村には恋人がいた。それは事実だ。だが、相手は突然姿を消したんだよ。別れたと言って当然だ。だから、セツと付き合いだしたのは浮気がしたかったからじゃないと思う。」
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