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2ページ目 1 弟side
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金曜日。
電車を乗り継いで兄貴の住む街へ行く。
猫の餌をやって干されている洗濯物を取り込んで、支度を整えて家を出たのは17時近くなっていた。
いつも兄貴とは駅で待ち合わせをしている。
電車が来たタイミングで兄貴にメールを入れておく。
自宅最寄り駅から兄貴の住む街まで電車で片道約2時間。家から駅まで少し距離があるので着いたのは19時半をまわっていた。
「あ、いえ、俺キャッチじゃないんです。人と待ち合わせしてて…。」
改札口の近くで兄貴が2人の女に絡まれていた。
2人ともかなり酔っ払っているで、兄貴がほとほと困り果てていた。
「これ、俺のだから。気安く話しかけないで。」
後ろからもたれかかるようにして兄貴の肩を抱き、鋭く牽制をする。
「啓太!」
兄貴が驚いて俺を振り返る。
「行こうか。」
「え、…あ、うん。」
兄貴の手を取り引きずるようにしてその場を離れた。
身長175センチで痩せ形。
右にレッド、左にシルバーのピアスを俺と対でしている。
父親似で一見地味だけど優子さんの血を引いているから顔立ちは整っている。かっこいい、というよりは上品と言う方が合っているだろう。
近頃妙に色気が増してきたからか、さっきのように絡まれている姿をたまに見かける。
苛々する。
兄貴は俺のモノなのに。
誰にも見たり触れたりしてほしくないのに。
出来ることならば、永遠に何処かに閉じ込めておきたい。
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