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「俺何すればいいの?」
恐る恐る昼飯を食い終わって洗い物をしている弟の背中に問いかける。
チョーカーは付けられたけれど、監禁という割にはそれらしいことはされていない。
「何もしなくていいよ。」
「は!?」
てっきり俺に何かしてほしいのかと思った。
そうでないのならば何かされるのだろう。さっき弟が言っていた「夜までもたない」という言葉が妙に引っかかる。
むしろ何か言ってもらった方が気は楽なのだが。
「あ、そうだ。」
弟が思い出したように声を上げる。
「兄貴、今日一日だけ携帯預かる。…いいよね?」
来るメールはだいたいくだらない用件か、ゲームの招待くらいなもの。
必要な連絡といえばバイト先からと稀に大学の日程変更が送られてくる程度。どちらも滅多にあることではない。
そう判断して弟にスマホを手渡した。
「大事な連絡入るかもしれないから俺が見ておく。必要そうだったらその時は携帯返すから安心していいよ。」
これから何をされるのか内心びくびくしていたけれど、それ以降弟は特に何をしてくるわけでもなかった。
スマホは取り上げられたけれど家から出ない、チョーカーを外さないことを守れば好きに過ごしていいと言われた。トイレも自由に行っていいとのことだった。ただし鍵はかけるなと言われた。
何かあったらすぐ返してくれることになっているし、パソコンは使っていいことになっているからスマホを取り上げられたことに関しては特に困らない。チョーカーを付けられたこと以外は普通の日常を送った。
弟も俺の本を読み漁ったり、家事したり、勉強してたり。
俺も残ってた課題を片付けてテレビをBGMに本を読んでベッドの上でゆっくり過ごした。
あまりにも普段通りだから監禁されていたことをすっかり忘れていた。
「兄貴、手出して。」
夕飯を食って、機嫌良く出されたビールに舌づつみしていた時、弟にそう言われた。
手を差し出すと手拭いで前で手を縛られた。
「えっ、けーたこれ…。」
「いいでしょ、別に。あんたは俺のなんだから。それよりトイレとか喉かわいたとかない?」
「いや、大丈夫だけど…。」
「そ?」
座ったままの状態で手際よく手を縛られ、今朝俺の手を縛っていて手拭いで目隠しをされた。
パチン
明かりが消された。
目隠しをされた状態のときはそれでもぼんやりと輪郭は捉えられていたのに。これで完全に視界が閉ざされた。
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