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音がして、弟が家に帰ってきた気がしたのに弟の声はなくて、また静けさに包まれる。
もしかしたらドアを開けたような音も、ガサガサという袋の音も俺の幻聴だったのかもしれない。
「ふんっ、ぅ!?」
突然何かに口を覆われた。
ぬるぬるとして濡れているものが口の中に入ってくる。
「んんーっ、んっ、んぅっ、んっ!!」
ドクン、と心臓が大きく跳ねた。
頭が混乱して、反射的に首を振って逃れようとするけれど前から強い力で押さえ込まれて逃げることができない。
生温かい感覚が何度も何度も顔に当たるけれどそれが何なのか理解する余裕など俺にはない。
ただただ、怖かった。
口の中に一度は入ってきたが出て行ったものが、地球上のものと思えなかった。
俺がこうしている間に宇宙から地球外生命体が降りてきて、人間の調査のために俺に接触してきたのではなかろうか。
つい最近見たSF映画の映像が突如頭に浮かんだ。
手を布から抜こうとしたが、解けない。
膝の上に重い何かが乗り上げてきたと思ったら、ガッチリと顔を固定された。
生温かくて柔らかい感覚が口を覆った。
「ん、う……。」
ゆっくり、ゆっくりとちょっと熱いぬるぬるしたものが口の中に侵入してくる。
そういえばだんだん力が抜けてきた気がする。
くちゅくちゅ、ぴちゃぴちゃと水音を響かせながら俺の口の中を引っ掻き回す。
俺に為す術はなくてされるがまま口腔を犯される他なかった。
この後どうなるのだろう。啓太は無事なのだろうか。
ぼんやりとそんなことを考えていたら口の中で蠢くソレは満足したのかやがてゆっくりと離れていった。
「ただいま。」
「ッ!啓太!!」
聞き覚えのある抑揚のない低い声。
誰もいないと思っていた空間にはずっと弟が居て、エイリアンだと思っていたものは弟で。
「何その反応。もしかして俺じゃないと思った?」
そういえば口腔を蠢くモノの熱さを知っていると思ったんだよ…。
「お前以外いないだろ…。馬鹿じゃないの。」
途端に自分のしていたこと、考えていたことが恥ずかしくて悟られまいと精一杯虚勢を張った。
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