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「兄ちゃんっ、兄ちゃん、兄ちゃん!!」
もう、目の前が霞んで見える。
目をギラギラさせて、頬を紅潮させて、口角を上げている弟の姿なんてきっと幻だ。
悪夢ならば、早く覚めてほしい。
だけど荒い息遣いと、ベッドがギシギシ鳴る音と、それに合わせて微かにする振動、それから顔の燃えるような熱さと、時折チクッと感じる痛みと、腹の中を行き来する異物感が妙に生生しくて。
腹が熱いよ。
苦しいよ。
だけど、これはまだマシなんだ。
ベッドで寝ていればいつか終わるから。
ただ、その時をじっと待てばいい。
あのままされていたらそうはいかなかった。
ガクガク震える片足で体重を支えなければ、凶器が深くまで突き刺さるからとても気が抜けない。
ふと、目線を下にやる。
前に付けられたやつがようやく消えてきたと思ったのに、また身体中に醜い痕が刻まれている。
「……にき。兄貴。」
もう耳まで機能しなくなってきたみたいだ。
「っぐ!!」
顔を上げると両手で首を絞められた。
「っかは…!!」
「ねぇ、何考えてたの。誰のこと考えてたの。」
「ぁぁぁっ…!!」
もう、声なんて出ていない。
喉から空気が出ていくだけ。
「俺のことだけ考えろ。俺のことだけ見てればそれでいいんだよッ…!」
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