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4ページ目 18 弟side
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本当はきっと気付いていたんだ。
気付いていて、ずっと気付かないふりをしていた。
俺は兄貴が好きだった。
恋をしていた。
だけどもしかしたらこの感情は間違いかもしれない。
男同士の前に兄に恋をするなんておかしい話だろ?
ただ兄弟愛を大きく履き違えているだけだ。
いずれ兄貴は女と結婚して、その女が俺よりも大切になって、それ以上に大切な子供ができて、どんどんどんどん俺から離れていってしまうのだ。
どうせ離れていってしまうならば。
どんな結果になってもいいから、この感情に名前がほしかった。
ちんこ舐めるなんてありえないし、ケツの孔に指を突っ込むなんて汚いし、絶対に無理だと思った。
そう、思っていたはずなのに。
気持ち悪いと思っていたはずの喘ぎ声に興奮した。
ちんこを舐めることに不思議と抵抗はなかったし、指どころか自らの半身をねじ込んで何度もナカ出しをした。
兄貴を自分のモノにした事実に何とも言えない感情が湧きあがり、溢れて止まらなかった。
この時はその事実だけで満たされたのだ。
その日から、俺のことを怯えた目で見るようになった。
軽蔑した目で見るようになった。
憎しみがこもったような目で見るようになった。
あの夜のことは、何度も後悔した。
ならばいっそのこと兄貴に嫌われようと思った。
自分を嫌いな人間を好きになる奴なんていない。逃げられたら追うなんてタイプじゃない。嫌われれば兄貴に対して何も思わなくなると思った。
だが、執着心が強まる一方だった。
逃げられたらもうそんな気が起こらなくなるくらいに痛めつけた。
死にたがったら、手前まで追いやって恐怖を植え付けた。
裸体を晒して眠る兄貴に目を向ける。
透き通るように白くて、今にも折れてしまいそうなくらいやせ細った身体には痛々しい紫色の痣と、赤と青の醜い斑点が刻まれている。
この男のどこがそんなに好きなのだろう。
近づいて行って薄く開かれたカサカサして血に濡れている唇にキスをした。
無抵抗の口腔に、ゆっくり舌を差し入れる。
最初に鉄の味。それから苦いような、青臭い味。
最悪。
衰弱しきって今にも意識を飛ばしそうな兄貴の口腔に自らの欲望をねじ込んだ。
兄貴はすぐに落ちたけれどやがてその口の中に欲を吐き出したのだった。
どうしてこんな汚い口の中を舐め回せるのか自分でも理解できないけれどやめようと思わなかった。
それどころか、もっともっと欲しくて堪らない。
嫌いになれないのならば、何も思わなくならないのならば、あんなことをしなければよかった。
けれどもしあの日に戻れたとしても俺は同じことをすると思う。
憎しみと恐怖以外に色を写さない目に苛々した。
俺を見て身体を震わせる様に苛々した。
受け入れられないことに苛々した。
こんな事を言うなんておかしいけれど、昔のように接してほしかった。
いや、それだけじゃ足りない。
俺は欲張りだから、俺だけを見て昔以上に愛してほしいなんて、望んでしまった。
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