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「ここに出して!」
目の前にゴミ箱が出され、素直にそこに吐いた。
「ヴ……エ゛ッ…!!!ゲホッゲホッ!!……ぅ。」
「全部吐いちゃえ。楽になれるから。」
全て吐き終えるまで弟はずっと俺の背中を擦り続けた。
「ご、めん。啓太ごめ…。汚した。ごめん。本当ごめん。」
しゃっくりが出てきて、目からは涙が溢れてきた。
「いいから。大丈夫だから。」
吐瀉物にまみれた俺を抱きしめ、背中を擦りながら頭を撫でられた。
「具合が悪いならそう言ってくれればいいのに。」
「ごめっ…!!」
「別に怒ってない。気付いてやれなくてごめんな。」
いつもと変わらないその淡々とした声が、何故だかとても優しいものに感じて。
怖くて堪らないはずの弟に縋りついて声を上げて泣いた。
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