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4ページ目 26 弟side
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兄貴が起きたことは気配で分かっていた。
ベッドが揺れたから身体を起こしたことも、視線を感じたから見られていることも。
まさか、首を絞められるとは思わなかったけれど。
目を開けるとビクッと身体を震わせて、今にも泣きそうな目で俺を見た。
「おはよ、兄貴。」
「おっ………お、は、……よ。」
可笑しい。
動揺しすぎ。
可愛いなぁ、もう。
身体を起こして固まる兄貴をそっと抱きしめた。
「ね、手後ろに回してよ。」
そう言うと、おずおずと手を背中に回してきて遠慮がちに俺を抱きしめてくれた。
「ありがと、兄貴。すげー幸せ。」
強制的にやらせているに近いけれど兄貴に抱きしめられるのはいつぶりだろうか。
抱っこして、ってせがむほど図々しくなかったからされた回数は多くない。
しばらくそのままでいたら徐々に強張っていた身体から力が抜けていくのが分かった。
首筋に顔を埋めて匂いを嗅ぐとくすぐったそうに身じろいだ。
ずっと、このままでいたいな。
「ねぇ、兄貴。さっき俺のこと殺そうとしたでしょ。」
弛緩していた身体をまた緊張させた。
背中に回っている手がぎゅっと服を握った。
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