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4ページ目 29 弟side
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「かはっ!!ゲホッ、ゲホ!!ゴホッゴホッ…!!あ、っは…ゲホゲホ!!」
ふっと、手の力が抜けて急に酸素が肺に入ってきて盛大に噎せた。
身を捩って咳き込む。
もう逝けると思ったのに。
「おいあんた!やっぱり止めたなんて言わねぇよな!!」
首を押さえて涙目で兄貴を睨む。
「最期に何か、ない?」
「はぁ!?…ッゲホ!」
「遊園地行きたい、とかステーキ食べたい、とか。」
何を言い出すかと思えば。
「友達に電話する、とか遺書書くとか。」
真面目な顔してそんなこと言うんだもの。可笑しくて堪らない。
声を上げて笑うと「何笑ってんの。」って兄貴が少しムッとした。
「セックスしたい。」
そう言うと、顔を強張らせて身を固くした。
「できるなら騎乗位で。腹上死したい。」
兄貴が苦い顔をした。
「冗談だよ。」
本当だけど。
まともに動けない身体でそんなことしたら俺じゃなくて兄貴が死にそうだ。
「からかうなよ。」
「じゃあ、キスしてよ。」
「………それくらい、なら。」
今度は視線を彷徨わせる。
本当に、可愛くって堪らない。
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