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4ページ目 37 弟side
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兄貴の身体をベッドに横たえた。
「兄貴ッ…!!兄貴ッ兄貴ッ…。」
顔色がどんどん悪くなっていく。
呼吸がどんどん小さくなっていく。
瞼が、どんどん閉じられていく。
どうすることもできなくて、手をぎゅっと握った。
「そ、れ…。」
「え?」
微かな声。
「それ、俺が昔やってたやつ…。」
覚えてくれていたの。
風邪を引いて、苦しくて、眠れなくて、暑くて、息が苦しくて、心細くて、泣きたい時。
兄貴がこうして指を絡めて手を繋いでくれていた。
そうするといくらか身体が楽になって、翌日にはよくなったんだ。
兄貴に風邪をうつしていただけだと知ったのはしばらく経ってからだった。
苦しいのも、痛いのも、全部俺にうつってくれ。
「ありがとう。啓太。」
閉じられていたはずの瞳が、俺をうつしていた。
兄貴の唇を、塞いだ。
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