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4ページ目 38 弟side
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「………ッ、………ッ………………。」
ビク、ビク、と兄貴の身体が二回跳ねた後、動かなくなった。
自殺じゃない。
窒息死だ。
俺が、殺した。
唇を離すと、唾液と血が混じった物が糸を引いた。
濡れた自分の唇を拭うと、赤。
兄貴の胸に刺さっている包丁を一気に引き抜くと血が勢いよく吹き出した。
生温かいそれを、身体に浴びた。
「ふっ……。はは。………はははっ。はははははははっ!!」
全身が兄貴の色で染まった。
透明なはずの涙でさえも赤に染まり愛しい人の顔を濡らす。
何故笑っているのだろう。
何故泣いているのだろう。
嬉しいのだろうか。
悲しいのだろうか。
もう、それすらも分からない。
だって俺はとっくにおかしいから。
兄貴に初めてキスをしたあの夜から運命が狂い始めた。
顔を腫らして、目のまわりに青痣を作って、顔を青くして。
だけどその顔を彩るのは綺麗な赤。
ドス黒い赤。
「綺麗だよ、兄貴。」
俺は、異常だ。
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