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4ページ目 39 弟side
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まず最初にやったことは通信端末を徹底的に破壊すること。
俺の携帯、兄貴のスマホ、パソコン。
通話やメールの記録は調べれば分かってしまうけれど写真や動画のデータまでは復元できまい。
次にやったことは包丁を研ぐこと。
兄貴の血や脂でだいぶ切れ味が悪いだろうから。
次に、防火装置を取り外すこと。
下に誰もいないことを確認して窓から落とした。
次に、玄関の鍵が閉まっているかの確認をしてチェーンロックを掛けた。
誰も入って来れないように。
昨日はどうなるかと思ったけれど、晴れてよかった。
これならきっと、よく燃える。
兄貴の本棚から本を抜き取り油を染み込ませた。
灯油の方がよく燃えそうだけれど置いていないから調理用の菜種油で代用した。
コンロに火を灯し、油を吸わせた本を燃やすと期待通りよく燃えた。
それをベッドからほど近いカーテンの傍に置くとすぐに燃え広がった。
その様子を、兄貴を抱きしめながら見ていた。
「ねぇ見てよ、兄ちゃん。綺麗だね。」
痛いくらいに眩しいオレンジ。明るい赤。
「みんなみんな燃えていくよ。」
兄貴と買いに行ったカーテン。本棚。ちゃぶ台。カーペット。ベッド。バスタオル。
俺と、兄貴。
兄貴を貫いた包丁を、自分の胸に突き立てた。
いくら研いだとはいえ、やはり切れ味は悪くなっているようだ。
銀の鉛を食いこませてゆく。
刃を伝い、落ちてゆく物は兄貴と同じ赤。
「ッく!」
急所はわざと外した。
まだ温かい兄貴の体温を少しでも感じていたいから。
包丁を胸から引き抜き、赤く濡れた血潮を兄貴の顔に塗りたくり、口に含ませた。
俺の色に染まった兄貴は、すごく綺麗。
炎に焼かれて朽ちてしまうのが惜しいくらいに。
「あんたは俺のモノだ。決して逃がさない。」
・ ・ ・ ・ ・
お粗末さまです。
ここまでお付き合いありがとうございます!
あの日、あの夜、というのは拙作「選択」の一番最初の話のところになります。
「選択」では弟を受け入れたけれどここでは受け入れないことを選択したifストーリーになってます。
ご存じなくても全然OKです!!もしご存じの方がいらっしゃった時の参考までに。
ちょっと雰囲気変えてみたのですが如何でしたでしょうか…。
まだまだ至らない点ばかりですが書いてるときすごく楽しかったです!また死ネタやりたいなぁ。今度はお兄ちゃんが死んで、残された弟の話。
どうでしょう。駄目ですか?(笑)
紹介挟むところがなくてだいぶ遅くなってしまいましたが表紙をm様に書いていただきました!!
弟くんがめちゃくちゃイケメンでお兄ちゃんがすごく可愛いです。本当にありがとうございます!また描いてくれてもいいのよ←
関連イラストとか描いていただければ泣いて喜びますのでよろしければ是非…!!
引き続きお付き合いいただければ幸いです!!
たつみ
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