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先週付けられた痕は、一部を残してすっかり消えていた。
消えていないところは度重なる内出血のせいで薄い青紫色に変色して、ずっと残っている。
お揃いの携帯ストラップ。腕時計。ピアス。それだけでは足りないようで。
弟は俺のアパートに来るたびに「所有の証」を俺の身体に刻み付ける。
キィ、と立てつけの悪いドアが開いた音をベッドの上で本を読みながら聞いた。
「ごめん、あと3ページ待って。」
弟がシャワーを浴びて出てきたのを合図にいつもその行為は行われる。
別に不満はない。
だって俺は弟のモノだから。
あと3ページ読めば第二章が終わる。
どうせなら区切りのよいところまで読み切ってしまいたかった。
弟によって本を取り上げられ、唇を重ねられた。
いつもなら、それでも待っていてくれるのに。
一度は離れたものの、噛みつかれるように再度激しく重なり合う。
「ふ、…ぅぅぅ、んッ!!け、た、…な…んんっ!」
熱い舌が荒々しく唇を舐め、抉じ開けて侵入してきた。
くちゅくちゅという水音を立てながら口腔を蹂躙する。
呼吸をする暇もなくて弟の顔が離れた時にはすっかり息が上がってしまっていた。
「兄貴、今日抱くよ。」
そんなこと、言われなくても分かっている。
はぁ、と艶めかしい吐息を洩らす弟の目は欲情に濡れていて、俺が欲しいと言っていた。
拒否権なんかない。俺は弟のモノだ。
有無を言わさぬその発言に黙って頷いた。
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