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「兄貴?昨日はごめん。身体、大丈夫?」
俺が起きたのに気付いた弟が無表情のまま瞳だけを不安げに揺らして俺の顔を覗き込んだ。
「それより今何時。」
弟の質問には答えず、枕元に置いてある腕時計に手を伸ばした。
「17時27分。」
俺が針を読むより早く弟が答えた。
「あ゛ーッ、1日無駄にした!」
軋む身体に鞭打って上半身を起こす。
腰に鈍い痛みを感じて、全体的に身体が重い。
雰囲気からして朝焼け、ということはないとは思ったけれどやはり夕方まで眠ってしまっていたようだ。
「……ごめん。」
弟が申し訳なさそうな顔をしてしゅんとなった。
本来ならここで怒鳴ってやりたいところだけれど。
「いーよ、別に。」
泣きそうに思いつめた顔をする弟の髪をぐしゃぐしゃに掻き乱した。
「俺が寝てる間にいろいろやってくれたんだろ?ありがとな。」
「それくらい、別に……。」
心なしか頬を染めて俺にされるがまま。
「兄貴、ハグしてい?」
「ん?はいはい、いつでもどーぞ。」
ゆっくりベッドの上に上がってきて恐る恐る俺に抱きついてきた。
まったく、謙虚なんだか横柄なんだか。
「身体、痛い?」
「うん。すっげー痛い。」
俺を気遣ってか、俺の肩に首を埋めて弱々しい力で抱きしめてくる弟。
「無理させて、ごめん。」
弟の背中に腕を回してぐっと自分の元に引き寄せて密着させる。
「だから別にいいってば。」
「ん。でもごめん。」
スン、と鼻を鳴らして匂いを嗅いだ後すり、と額を肩に擦り付けてきた。
「兄貴、好き…。」
消え入りそうなくらいか細い声で弟が呟く。
いつもこうなら可愛いのに。
答える代わりに弟の髪を撫でた。
・ ・ ・ ・ ・
「けーた腹減った。ラーメン食いたい。」
俺の頭上で、兄貴が言う。
「………。」
肩から顔を離して目線を合わせるとぎゅるる、と間抜けな腹が鳴る音がした。
よく食う兄貴が2食も抜いてるんだから仕方ないと言えば仕方ないのだけれど。
真顔で堂々としているものだから、少しは恥じらいというものを持って欲しい。
「あんたが昨日ネギトロ丼食いたいって言ったんでしょ。そっちどうすんの。」
今日の昼兄貴が食ってない分のラーメンがあると言えばあるのだけれど、ネギトロは日持ちするものじゃない。
「そっちも食う。」
「…あっそ。」
お粗末さまでしたーヽ(^o^)丿
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