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「ったく、ウチは託児所じゃねぇっていうのに。」
「たくじじょ?」
「まぁまぁそう言うなよ。」
弟が忌々しげにサラサラの髪を片手で掻き乱していた。
おふくろと建太くんのお母さんが出掛けるからその間預かることになったらしい。
「建太くん、お昼何食べたい?」
俺と弟を見上げていた建太くんの目線に屈んで話し掛ける。
せっかく家を出てきたんだから何処か食べに行くのもいいかもしれない。
「オムライスー!!」
パッと顔を輝かせて言う。
「オムライス置いているところこの辺にあったっけ。」
弟を振り返ると、建太くんが「啓太が作ったのが食べたい」と言った。
前回建太くんを預かった時に弟がオムライスを作ったことがあってそれを気に入ったらしい。
「まぁ別にいいけど。玉子ないからスーパー寄りがてら帰るか。」
独り言のように言って俺らに背を向けて歩き出した。
その背を建太くんが追い掛けて隣に並び、弟を見上げると、それに気付いた弟が組んでいた手をそっと下ろした。
その手を建太くんがぎゅっと握った。
俺を迎えに来る時も手を繋いで来たのだろうか。
なんだか、微笑ましい。
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