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「さっきねーゆうたくんに触らせてもらったんだ!」
何を話し掛けても「あっそ」とか、「ふーん」とか生返事をしていた挙句、最終的には「兄貴んところ行け」と弟に冷たくあしらわれた建太くんが俺の手を取って日差しに負けないくらいキラキラした笑顔で俺に話し掛ける。
弟はいつの間にか手をつないで歩く俺と建太くんの後ろを歩いていた。
「…ゆうたくん?」
「けーたがいいって言ったからゆうたくんにおやつあげるの。」
「ああ、そうなんだ。喜んでくれるといいね。」
そういえば弟が拾って飼い始めた猫の名前、ゆうただっけ。
真っ黒なつやつやの毛並みで瞳の色は緑で、赤い首輪してて、尻尾は短くて折れ曲がっていて。確かあの猫、メスだったよな?
ゆうた「くん」、か。まぁ、いいや。
「ねー早く帰ろう?ゆうたくん寂しがってるよ!!」
「急がなくてもゆうたくんは待っててくれるよ。」
俺を見上げながらぐいぐい手を引っ張る。
子供って、元気だなぁ。
建太くんの話を聞いている限り、どうやらウチで飼っている猫を見に来たようだった。
「今日はお母さん何処行ってるの?」
「わかんない。お仕事だってー。夕方には帰ってくるって言ってた!」
「そっか。お母さんお仕事忙しくて寂しくない?」
「全然大丈夫だよー。お父さんが一緒にいてくれるし、ゆーととけーたが遊んでくれるもん!」
相変わらず眩しい笑顔で言うから、つられて俺の表情も緩む。
「帰ったらいっぱい遊ぼうな。」
「うん!」
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