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「抱っこしてみる?」
「いや、もういい…。勘弁して…。」
建太くんが抱っこしたい、と弟にせがんだから猫は今、弟に抱き方を教わった建太くんの腕の中にいる。
「平気だったろ?」
「う、ん?…んー。」
俺は相変わらずソファの上に体育座りして、弟は心なしか嬉しそうな顔をして背を丸める俺の横顔を見ていた。
その後も猫は建太くんに抱かれてみたり、弟にじゃれついてみたり。
遠目で見ていて微笑ましいとは思うけれどその輪に加わりたいとは思えなかった。
弟の手が猫の前足に触れてみたり身体に触れてちょっかいを出している時、猫は前足を浮かせて弟の腕に爪を立て、手に歯を立てていた。
「…痛くないの、それ。」
「全然。もう慣れた。」
ねこじゃらしに見立てた弟の手が床の上を這い、猫がそれを追いかける。
猫の俊敏な動きを見て建太くんがはしゃいでいた。
日がとっぷり暮れて、3人で夕飯を食べている時。
「ねーご飯食べたら花火しよう!」
建太くんが突然そう言いだした。
「花火?」
「うん!いっぱい持って来たんだ!!」
花火なんて何年ぶりだろう。住宅地だし、さすがに打ち上げ花火はできないけれど手持ち花火くらいならいいだろう。
猫のおやつに、花火。随分用意がいいなぁ。
「じゃあみんなでやろうか。」
「やったー!」
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