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俺達が夕飯を食べている間、餌を食べていたはずの猫がいつの間にか姿を消していた。
遊び疲れて弟の部屋へ戻っていったのかもしれない。
建太くんと花火を開封している間、洗い物を終えた弟が水の入ったバケツと蚊取り線香を用意してくれた。
「キレーだね。」
「ねー。」
台紙から離してバラバラにした花火と、バケツと蚊取り線香を持って家の前で花火をした。
火をつけて建太くんに手渡す。
花火が先端から勢いよく緑、オレンジ、黄色の火を噴いた。
一本終わったら、また1本火を付けて手渡す。その様子を弟と二人で見守っていた。
そう言えば昼間スーパーで買ったお菓子、まだ開けてなかったっけ。
この場を弟に任せて、冷蔵庫からお菓子を出して戻ると弟も一緒になって花火をしていた。
こっそり後ろから覗きこむと二人して真剣な顔をして線香花火をしている。
今にも落ちそうなオレンジの玉からパチパチと音を立てて火花が飛んでいた。
「ゆーと、おれ絶対勝つからね。」
建太くんが真剣なトーンで言うから面白くて仕方ない。
線香花火自体は地味だから、昔友達と「火の玉を落とさずに長く持たせた奴が勝ち」というくだらないルールを作って盛り上がった記憶がある。
「何か賭け事してるの?」
「どっちが兄貴と風呂入るか。」
建太くんの代わりに弟が答える。
うっわ、くだらねぇー…。
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