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7ページ目 24 弟side
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本当は兄貴が悪くないと分かっている。
面白がって無理矢理飲ませて兄貴を酔い潰したのは優子さんだし、昔から酔うとああだ。
人の酔っ払った様を見るのが楽しいらしい。
兄貴にキスしたのも俺をからかう材料に過ぎない。
俺も過去何度も酔っ払った優子さんにキスされたし、兄貴も幼い頃から餌食になっているし。
俺の記憶ではファーストキスは優子さんだった。
ツン、と服の裾が後ろに引かれた。
足を止めて後ろを振り向くと兄貴が俺の服を掴んでいた。
「…何。」
兄貴は何も答えずに裾をツンツンしつこく引っ張った。
振り払おうとしたらその手を掴まれて、ぐいっと引かれた。
ガチッ
鈍い音が響く。
多分口の中を切った。じんわりと血の味が広がる。
「え、と…。上書き?」
なんで疑問形なのだろう。
兄貴的にはキスのつもりだったのだろうが、到底それと呼べるものではなかった。
腕を引かれて、ただ口がぶつかっただけ。
「俺は啓太のモノなのに、ごめんな。」
「…あんた、俺がなんで怒ってるか分かってんの?」
頬が熱をもっていくのが分かって、兄貴に掴まれてる反対の手を口元に持って行く。
小首を傾げる兄貴をそのまま押し倒した。
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