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11ページ目 11 弟side
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「あっ、あっ、あぁ!!」
「は、は、…ッ、は。」
ベッドのスプリングが、壊れてしまったのではないかと思うくらいに大きな音を立てて軋んだ。
それ以上に大きな兄貴の喘ぎ声。俺が空気を吸う音。肌と肌がぶつかる音。
兄貴をベッドに寝かせてからは俺のペースだった。
仰向けに寝る兄貴に、俺の首に腕を掛けさせた状態のまま覆いかぶさり本能の赴くままに腰を打ちつける。
右手で兄貴の太ももを腹に付くように押さえつけ、足を開かせた。
「こうしてると、あんたの顔がよく見えていいな。」
兄貴の両手が俺の首に回っている今、遮るものは何もない。目の前の顔が赤く染まってゆき、ぼんやり俺を見つめていた瞳が明後日の方向を見た。
「ッ、馬鹿なこと、言ってないで、ぁ、さっさとイけ!…はぁッ!!」
前立腺を狙って突きあげると一際高い嬌声を聞かせてくれた。
「あッ、あん!!やっ!!」
乱れる兄貴を前に笑みが零れる。
「どっちだよ。」
髪を振り乱し、首を左右に振りながら目に困惑の色を浮かべる兄貴の唇を塞いだ。
―――いつも左手で何をしてたかな。
白いシーツの上に置き体重を支えている左手が、何だか寂しい気がする。
ゴムの中に吐精して、どっと疲労感。
「兄貴、もうちょっとこのままで…。」
「え…。」
「もう今日はしないから。」
自分の出したものがゴムの中でぴったり纏わりついて気持ち悪い。
兄貴と繋がったまま片足を下ろしてやり、両手を背中に回して上にのしかかると、「重い」と文句を言われた。
行為が終わり、ほっと一息ついている兄貴の表情にも疲労の色が色濃く出ていて、ぼんやり開かれていた目は今にも閉じてしまいそうだった。
開かれた兄貴の胸元に耳を押し付け、心臓の鼓動を聞く。胸が緩やかに上下していて「生きてるんだな」って当たり前のことを実感する。
「兄貴、寝ちゃった?」
「…起きてるよ。」
頭上から発せられた声は気だるげで、そこからも兄貴の疲労が見て取れる。あまりにも呼吸が穏やかだから眠ってしまったのかと思った。
「今日の夕飯、焼き肉にしようか。」
「急にどうしたの。」
「あんた体力なさすぎ。スタミナ付けろ。」
兄貴のぬくもりを感じながらゆっくり目を閉じた。このまま眠って、そのまま目覚めなくても後悔はないと思った。それくらい満たされていて、幸せだった。
「けーた。」
だけど兄貴がそうはさせてくれなかった。俺を呼ぶ声で目を開く。
「もういいだろ。手、解いて。」
兄貴の腕の間から頭を抜き、しぶしぶ身体を起こした。
「そう言えばさっき何考えてたの。」
兄貴の手首の紐に手を掛ける。蝶結びになっている紐を引くと少し力は要ったものの簡単に解くことができた。
「お前のことだよ。」
自分の手元を見つめながら片手で手首を擦っている兄貴には俺の顔が真っ赤だと気づいていないようだった。
「どうせろくでもないこと考えてたんだろ。」
兄貴のない胸に顔を埋めるようにしてうつ伏せになる。
手の甲に、兄貴の手が重なった。手を取られ、指を絡められる。
「さてね。忘れちゃった。」
―――先程感じた虚無感はきっとこれだったんだ。
ぎゅっと兄貴の手を握り返した。
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