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11ページ目 12 弟side
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食材を買いに急遽スーパーへ行く以外の時間は狭いベッドの上で過ごした。
兄貴はほぼ一日中眠っており、俺も兄貴の腕を枕に惰眠を貪った。たまにはこういう過ごし方もいいかもしれない。
兄貴の家には鉄板がないからフライパンを鉄板代わりに肉や野菜を焼いた。最初は兄貴もコンロの前に立って二人で立食していたけれどいつの間にか座ってたれの入った皿を差し出し、俺がそれに焼き上がった物を入れてやった。
奇妙な形になってしまったけれど酒も入り、ご満悦の様子だった。
後片付けをしてから兄貴よりも先にシャワーを浴びて戻ると部屋は焼き肉の残り香が立ちこめており、窓を開けておくべきだったと後悔する。
「兄貴、シャワー。」
今更ではあるが、窓を開けてから酔っぱらって机に突っ伏している兄貴に諦め半分で声を掛ける。
「んー。」
返事はあったものの、動く気配はまるでない。そのうち寝息が聞こえてきて、仕方なく横抱きにしてベッドに運んだ。
俺もベッドに上がり込んで兄貴の身体に跨り、無防備な寝顔に顔を寄せる。酒臭い。明日バイトなのにこんなに飲んで大丈夫なのだろうか。
鼻息が顔にかかるくらいまで近づいた時、カッと兄貴の真っ赤な目が開かれた。
俺を退かして黙って廊下の方へ歩いて行く。シャワーを浴びに行ったのかと思ったが、ドアの近くまで行ってまた戻ってきた。
その手に握られていたのは、捨てたはずの兄貴の両手を縛めていた紐だった。
「手、こーして。」
言われるがまま訳も分からず兄貴と同じポーズを取ったのが間違いだった。
差し出した両手を紐で括られた。
「は!?ちょっと待って!」
「うるさい。口塞ぐよ?」
そう言われたら何も言えない。力任せに締められ、片結びしている様を黙ってじっと見つめた。
横向きにベッドに倒され、頭まで布団を被せられた。
布団で視界が閉ざされた中、ギシッとスプリングの軋む音が聞こえ、ベッドの沈み具合で兄貴が上がってきたことを判断する。後ろから抱きかかえられるようにして布団の上から押さえ込まれて身動きが取れない。不自由な両手で布団を掴み、なんとか顔を出す。
「ちょっと兄貴!手解いて!!…ンンッ!」
布団ごと俺を押さえ込んでいた手に口を塞がれた。
「ンンッ!……ンッ!」
口だけでなく鼻まで塞がれて声を出すことはおろか、息をすることもままならない。
苦しくてたまらないのに両手は縛られ、両足は兄貴の片足によって押さえ込まれどうすることも出来なかった。
「っは!!は、はぁ、はぁ…!!」
どれくらいの間口を塞がれていたのだろう。10秒くらいの気もするし、もっと長い時間呼吸を止められていた気もする。兄貴の手が緩んだ瞬間、口を開けて酸素を求めた。
俺の口を塞いでいた手が力なく滑り落ちていき、ベッドの上に投げ出された。
「…兄貴?」
また口を塞がれたらたまらない。控えめに呼ぶと首筋を生温かい吐息がくすぐった。
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