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「う゛………ん。」
すぐ耳元で弟の苦しげな呻き声を聞いた。仰向けで眠る弟の上でうつ伏せの状態で目を覚ました。
今何時だろう。周りはまだ真っ暗だった。
弟の上からそっと退くと呼吸がいくらか安らかになる。弟が眠っているのを確認してベッドを抜け出した。足音を立てないように階段を降り、向かった先は洗面所。
嫌な予感が的中していた。
下着には白い液体が付着していた。
――あんな夢を見るなんて、俺はどうかしている。
水に流して、なかったことにできたらどんなにいいことか。下着を水洗いしていると、突然洗面所のドアが開き反射的に肩が跳ねた。
弟だった。フラフラと覚束ない足取りで近づいてきて俺の腹に手を回し、頭を肩に預けてきた。ぼんやりとした寝惚け眼に、寝ぐせのついた髪。つい先程まで布団にいた弟の身体は温かい。
俺が目を覚ます頃にはとっくに起床して着替えまでバッチリ済ませているから寝起きの弟を見るのはかなり貴重かもしれない。
「何してんの?」
肩に額を乗せながら呂律の回らない声で言う。
「ごめん、起こしちゃった?」
「今5時。いつもこの時間には起きてる。」
「そっか。早いんだな。」
「で、いつもこの時間寝てるあんたは何やってるの。」
腹に回ってる腕の力が強くなり、締めつけられる。うまく話を反らせたと思ったのだが簡単には行かないようだ。
「誰を抱いた夢を見た?」
一瞬にして頭が真っ白になった。肩口から少し顔を上げた弟の目に射竦められて動けなくなる。
「そんなんじゃないよ。しばらくシてなかったから、それで…。」
「あんた寝惚けて俺にキスした。誰とキスしたつもりだったの?」
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