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あなた達だけでも……
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清花side
「んっ」
眩しい日差しが私を襲い、思わず眉にシワを寄せるうねり声を上げながら、ゆっくり目を開ける
瞼を開くと、一番最初に見えたのは白い天井
そして、鼻腔をくすぐる医薬品の独特な匂い
鈍った体を起こし、辺りを見回し、病室だということに気付く
「んー」
長いこと寝てると体がこるなと思いながら、体を伸ばしていた
呑気なことを考えてると、規則正しい寝息が聞こえた
左側を見るとずっと寄り添ってくれたのだろう、´翔一´がいた
彼の顔を覗くと、目の下にははっきりとついたクマができてる
こんなに苦しませて、ごめんね……
私は彼の髪の毛を撫でた
「……んっ
誰や、髪撫でてるの」
寝ぼけながらも、外してたメガネをかけ私の方に顔を向けた
そして驚いた目をしていた
「……清花?!
大丈夫か?!
わかるか?!
お前、3週間も眠ってたんやぞ?!」
「えっ?!
3週間?!」
チーン
3週間か……
ほんとに長いな
どんだけ寝てたのさ……
「そや
ほんま、目覚めてよかった」
彼は優しく私を抱きしめてくれた
「翔一、心配させてごめんね
待たせてごめん
他の皆も今日来るの?」
「そや、あと2時間もすれば来るやろ
学校終わったら来るっていうてたし」
「そっか
翔一、ずっとそばにいてくれてありがとう」
そういって、抱きついたままの彼に、さらに抱きしめかえす
彼を安心させたくて────。
まだ油断はできない
私は何度だって繰り返される未来に刃向かう
あなた達だけでも助かるなら……
たとえ私が犠牲になって消えたとしても────。
でもあくまで
物語は序章。
これからが本題
今回のあなたはどんな仕掛けをするの?
´黒宮要´
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