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「___ぃ…ぉー…ぉい!」
ッ!?
なんだ…潤、か。
「おい。本当大丈夫か?亜季。さっきからずっと上の空!俺の話しすら聞いてくれねぇーし」
僕ら潤に呼ばれ我に返った。
「ん。大丈夫。ちょっと、眠いだけ。」
「本当かよ?俺はお前の事が心配でだな!」
「潤はいつからそんな、過保護なキャラに?」
「ちがっ!」
潤が 違う と否定すると同時に葉山が僕に近づいてきた。
「おはよ!亜季!潤!」
ぁ、昨日も聞いたのに…葉山の声を久しぶりに聞いたきがする。
毒の蜜みたいに僕を縛るこの声は耳から離れない。
声を聞くと余計辛くなる。
でも、もっと、聞きたい。
この葉山という毒にずっと犯されていたい。
そんなふうに考える様になったのはいつからだろう?
「おは!凪!」
「はよー葉山。」
「相変わらず潤は元気なのに比べ…亜季〜!もっと元気だせーww」
「んー、ちょー元気ー」
やる気のない返事なのは自分でも分かった。
葉山の前ではいつも通りいなければいけない。
そんなの…そんなの分かってるのに。
どうしても上手くいかない。
どうして?
僕はいつも通り接してますよね?
「うわーぜってぇー元気ねぇw」
「潤うるさい。」
「うわっ!亜季は潤には厳しんだ!w」
そんないつも通りになるように計算された様な会話をしたがらも教室に向かう自分の足にはこのままここに居たいという気持ちの方が大きいのだろう。
思う様に足が動かない。
でも、そんなのは今に始まったことではない。
そう…葉山に彼女が出来た時から……
僕は葉山を見たい。話したい。
でも、葉山を見ると彼女…。
胸が締め付けられる。
いいよね。
同性と言うだけで気持ちを伝えることすら許されないのだろうか?
もし、そうならこの世界は理不尽な程に腐っている。
僕は伝えたい。伝えたら楽になる。
少しでも自分を見てもらえる。
少しでも気にしてもらえる。
少し………だけ?
僕の価値は………。
葉山。君にとって、僕はどんなふうに映ってますか?
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