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冷めない熱
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「ッ……な…なに」
体が熱い。
全身に熱い血液が巡ってるのがわかる。
触れた唇からは 彼の熱が伝わってくる。
だけど
重ねられた彼の左手には
ひやりとしたリングがはめられている。
「ッ……やめてくれ!」
こうなることを期待していたはずなのに
どうしてこんなにも胸が痛いのか。
「…なんで?」
うっすらと笑みを浮かべながら
子どもを諭すように言う相沢。
「だから…ッ……君には__」
言いかけたところで 勢いよくドアが開けられる。
その瞬間 手のぬくもりも消えた。
「佐伯、ちょっといいか」
「あ、はい」
上司に呼び出され 慌てて部屋を飛び出す。
あ…危なかった。
彼はいったい何を考えているのだろうか。
あんな……キスなんて。
それに、あの指輪。
結婚指輪だよな。
「佐伯? 平気か?」
ダメだ。変なことばっかり考えてしまう。
考えるな…考えるな!
「おい、聞いてんのか」
「え…あ、すみません」
上司からの話は 昨日のミスについてだった。
きっと僕はすごく叱られていたんだろうけど
何を言われたのかは全く覚えていない。
ただ 僕の脳内には、彼の囁く声だけが未だに響き渡っていた。
___一方。
「…おもしろい人」
一人取り残された相沢は
佐伯にさらなる興味をいだいていた。
「あぁいう顔されると、もっといじめたくなるんだよねぇ…」
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