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冷めない熱
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その日の夕方。
極力二人きりにならないようにしている佐伯さんを呼び止める。
「課長、今日飲みに行きませんか」
一瞬びくりと肩を震わせて
ゆっくりと俺の方を振り返る佐伯さん。
「…いや、あの」
「相談したいことがあるんですけど」
そう一言付け足すと
少し困ったように眉を下げ
「じゃあ…少しなら」
佐伯はためらいながらも
相沢の誘いを受け入れた。
**
相沢が選んだのは
会社から大して離れていない少し綺麗な居酒屋だった。
その方が佐伯さんも落ち着けるだろうと思ったからだ。
「それで…相談って言うのは…?」
注文したビールとつまみが届くと
佐伯はすぐに話を始めようとする。
「まぁまぁ、とりあえず乾杯しましょ」
相沢が笑顔で制すると 佐伯はぶっきらぼうに返事をし
カチンとグラスを合わせた。
ちょっと警戒されてるのかな。
相沢は心の中でそう思いながら
佐伯とくだらない話をする。
まぁ、キスしちゃったしね。
「佐伯さん、酔ってます?」
「…酔ってません」
完全に酔ってるな。
顔も赤いし、突然敬語使い出すし。
佐伯はもともとあまり飲めない体質だが、相沢はザルなのでビール程度で酔うことはない。
そんな相沢のペースに合わせて飲めば 酔うのは当たり前のことだ。
相沢はささっと会計を済ませ
佐伯に声をかける。
「課長、歩けますか」
「ん―……?」
佐伯さんは気持ち良さそうに寝ていた。
こういうとこ、無防備なんだよなぁ…。
佐伯は相沢をおぶり 店を後にした。
__さて、これから どうしようかな。
背中にぬくもりを感じながら 相沢はふっと笑った。
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