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冷めない熱
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「ん……」
目を覚ますと 目の前には見知らぬ天井があり、身体を起こして 少し周りを見渡す。
入ったことがなくても何となくわかった。
…いわゆるラブホテルというやつだ。
ここまでどうやって来たのだろう。
寝ぼけた頭で 必死に思い出そうとするも
相沢と居酒屋で飲んだことしか思い出せない。
その時 ガチャリとドアの開く音がして視線を上げる。
視線の先には、風呂へ入ったのかバスローブを身にまとっている相沢の姿があった。
「おはよ、佐伯さん」
少し砕けたような話し方と 夢で見たような微笑み。
あれ?
「昨日は 可愛かったですよ」
もしかして、僕…相沢と?
「後ろだけでイッちゃったし」
“血の気が引く”とはまさにこのことなのだろう。
彼の顔を見れない。心臓がうるさい。
夢じゃ、なかったのか。
「佐伯さん?」
彼は ベッドに腰をかけ 僕の顔をのぞき込む。
きっと今の僕の顔は 酷いものだろう。
恥ずかしさで赤面しているうえ、涙まででてきた。
見られたくない。
その一心で反射的に顔を背ける。
「なに泣いてるんですか」
彼に顎を掴まれ 強引に唇を奪われる。
ヌルッとした彼の舌が 唇を舐め 口内へ侵入し、
昨日のことをより鮮明に思い出させる。
僕は彼と寝たのだろうか。
僕の方から誘ったのだろうか。
疑問は尽きなかったけど、今更悩んだって仕方がない。
過去は変えられないのだから。
「ん、…んぅ……ふっ…うぅ…ん」
キスは荒々しかったが
どこか優しく、僕をなだめているようだった。
そんなキスに身を委ね、自ら舌を伸ばす。
どのくらいキスをしていたのだろうか。
すでに僕の息は上がってしまっていて
唇の端からはだらしなく唾液が垂れている。
もちろん僕の下半身は
興奮を抑えきれずに固くなっている。
「ねぇ、もっかいしようか」
彼はそう言いながら 僕の頬を撫で 涙を拭う。
そして そのまま再び唇を重ねてくる。
僕は彼の首に腕を回し 快感に溺れた。
**
「昨日は結局…その、最後まで…したのか?」
ベッドでお互い触りあった後、
一緒にお風呂に入ることになった。
やはり明るいところで自分の体を見せるのは
少し抵抗があったが 相沢なら、と意を決して入ったのだ。
「してませんよ、寝てる人犯してもつまんないでしょ」
さらっと言う彼。
きっとどちらかというといじめたい側の人間なのだろう。
昨日のことも何となく思い出したが、とても刺激的な夜だった。
僕には痛みすらも快感だった。
「佐伯さんって、結構マゾですよね…」
彼は首筋を舐めながらボソッとつぶやいた。
それだけで僕の体温は上昇し わずかに甘い息が零れる。
頭がクラクラする。
のぼせているわけじゃない。
きっと、彼のせいだ。
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