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指輪の秘密
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どのくらい経っただろうか。
いつの間にか涙は止まっていて、
かわりに勝手に口が動いていた。
「…“陽菜”ってだれ?」
ダメだ。
聞いてはいけない。
だけど、知りたくて知りたくて。
とまらない。
「結婚してるの…?」
恥ずかしい。
嫉妬している自分が 情けなくて、あまりに幼稚で。
「こんなことして楽しいか?」
悔しい。
そういうわけじゃない。
彼はそういうことをする人じゃない。
わかってるけど。
「どうせ…本気じゃないんだろ?
僕ばっかりが 君を好きで。
僕ばっかりが 期待して、傷ついて。
僕ばっかり… 。」
好きだ、好きだ。
相沢が好きだ。
好きの気持ちは止まることを知らない。
ただ溢れ出して 切なくなるだけ。
「…うん、それから?」
言葉に詰まっていると 再び優しく抱きしめられる。
「っ…大好き」
消え入りそうな声で想いを告げる。
それと同時に また涙が出てきた。
「…嬉しい」
そう呟いた相沢の顔は 少し赤らんでいた。
あぁもう、本当に。
「俺の家来てください。
ちゃんと、話しますから」
ずるい人だ。
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